『日本外史』―幕末のベストセラーを「超」現代語訳で読む

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『日本外史』―幕末のベストセラーを「超」現代語訳で読む

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  • サイズ B6判/ページ数 245p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784569775906
  • NDC分類 210.1
  • Cコード C0030

出版社内容情報

幕末の志士たちを魅了したベストセラーの新訳。

幕末の政治思想・歴史認識のベースとなった『日本外史』。志士たちを魅了したベストセラー歴史書が読みやすい現代語訳でよみがえる。

風雲急を告げる幕末のニッポン。ペリー来航を期に、泰平の眠りを覚まされ、時代の大きなうねりに飲み込まれてしまうのではないかと不安が増すなか、人々にこぞって読まれたのが『日本外史』でした。

▼この本は、平安時代の源平争乱から徳川家康による江戸幕府開闢までの「武士の歴史」を綴ったもので、歴史上のさまざまな合戦の様子が、さながらスポーツの実況中継のようにスピーディに、ドラマティックに展開していきます。

▼各本文の最後には、「論賛」というタイトルで頼山陽自身の尊王思想に基づいた解説が加えられ、この本独特の風味を添えています。これらが幕末の風潮とマッチし、爆発的な人気を呼んだのでした。

▼本書は、そんな幕末のベストセラー『日本外史』の中から、現代人にとって最も興味深い部分を抜粋し、楽しく読める現代文に訳したものです。志士たちが大いに盛り上がり、味わった痛快な気分を共有できる本です。

【第一部】頼山陽言いたい放題! 論賛編 
●第1章 源氏前記「平氏」――武家の政界進出の功と罪 
●第2章 源氏正記「源氏」――武家は朝廷の忠実な僕であれ 
●第3章 源氏後記「北条氏」――罪深い政権だが、国防は秀逸 
●第4章 新田氏前記「楠氏」――もっと評価されてもいい楠公 
●第5章 新田氏正記「新田氏」――戦は下手だが、尊王の志だけは貫いた 
●第6章 足利氏正記「足利氏」――国を混乱させた大儀なき支配者 
●第7章 足利氏後記「後北条氏」――大軍勢を向こうに奮戦した結束の力 
●第8章 足利氏後記「武田氏・上杉氏」――洗練された兵法の確立 
●第9章 足利氏後記「毛利氏」――義を通した者にこそ天意がかなう 
●第10章 徳川氏前記「織田氏」――我が国の礎を築いた英雄 
●第11章 徳川氏前記「豊臣氏」――一代ですべてを得、すべてを失った傑物 
●第12章 徳川氏正記「徳川氏」――時代に選ばれていた天下泰平の立役者 

▼【第二部】幕末の志士、大盛り上がり! 本文編 
●第1章 平氏、歴史の表舞台に躍り出る――〈巻之一 源氏前記「平氏」より〉 
●第2章 楠正成の活躍と最期 ――〈巻之五 新田氏前記「楠氏」より〉 
●第3章 織田信長、朝廷に忠義を尽くす ――〈巻之十三 徳川氏前記「織田氏・上」より〉

内容説明

平将門から徳川家康まで、武士の歴史を書き連ねた歴史書が読みやすい現代語訳でよみがえる。

目次

第1部 頼山陽言いたい放題!論賛編(源氏前記「平氏」―武家の政界進出の功と罪;源氏正記「源氏」―武家は朝廷の忠実な僕であれ;源氏後記「北条氏」―罪深い政権だが、国防は秀逸;新田氏前記「楠氏」―もっと評価されてもいい楠公;足利氏正記「足利氏」―国を混乱させた大義なき支配者;足利氏後記「後北条氏」―大軍勢を向こうに奮戦した結束の力;足利氏後記「武田氏・上杉氏」―洗練された兵法の確立;足利氏後記「毛利氏」―義を通した者にこそ天意がかなう;徳川氏前紀「織田氏」―我が国の礎を築いた英雄;徳川氏前紀「豊臣氏」―一代ですべてを得、すべてを失った傑物;徳川氏正紀「徳川氏」―時代に選ばれていた天下泰平の立役者)
第2部 幕末の志士、大盛り上がり!本文編(平氏、歴史の表舞台に躍り出る―巻之一 源氏前記「平氏」より;楠正成の活躍と最期―巻之五 新田氏前記「楠氏」より;織田信長、朝廷に忠義を尽くす―巻之十三 徳川氏前記「織田氏・上」より)

著者等紹介

頼山陽[ライサンヨウ]
安永9年(1780)~天保3年(1832)。江戸時代後期の歴史家、文人。没後に出版された『日本外史』はベストセラーになり、幕末から明治初期の人々に大きな影響を与えた

長尾剛[ナガオタケシ]
1962年、東京生まれ。東洋大学大学院修了。ノンフィクション作家。日本文学・日本思想史などを主なテーマとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Mayu

6
キーンさんと司馬さんの対談で話題になっていた、日本外史。興味はあるけど全部は読めなそう…と思っていたので、こういう本があって有難かったです。訳者の方も書かれているように、独善的という感じもあるのですが、著者の思想的立場を明確にしてドラマチックにしてあるからわかりやすく多くの人に読まれたとも言えると思うし、私のように歴史が頭に入ってない人間にとっては、ある出来事や戦争に至るまでにどんな事情があったか、ということが理解しやすかったです。尊皇がどういう思想かも勉強になりました。訳文が本当に口語体で読みやすいし、2019/04/16

がんぞ

6
幕末に勤皇の志士の必読書であったという。当時の常識の漢文ではない和漢文。倒幕府思想の源流で帝中心に善悪を判別していくが、不徳の帝は容赦なく批判。新田義貞を軍運用では拙劣ながらも行動原理を評価し、楠正成「逃げ延びることもできたが後世に名を残すのを選んだ」最大評価、武士に怨霊はなく、家名揚げ日本人の憧れ典型。封建体制で徳川家康と自身の主君に甘い、が巧妙に言い繕って無理な感じはない。各章の解説にあたる部分が著者の博識なところで、旅行した歴史遺産での経験や父の記憶などが盛り込まれ並の解説書ではないリア充の面もある2014/08/29

ギズモ。

3
章ごとに抜粋された現代語訳ではあるけれど、これを読んだだけで日本外史はもういいかな😅 幕末期には人気だったかもしれないけど、色んなことが解明されつつある現代には反感を買いそうな物言いかも…炎上さすタイプですね😞2024/06/23

脳疣沼

3
頼山陽が独断と偏見で、歴史上の事件、人物をぶった切りにした痛快な歴史書、の一部分の現代語訳である。幕末のベストセラーで、幕末の志士の誰もが一度は読んだという。現代で言う、司馬史観みたいなもので 、その時代における日本人の歴史の共通認識を作る上で、とても重要な役割を果たしたのだろう。実証的かどうかは関係ないのである。その歴史観を共有出来るか否かだと思う。今読んでもとても面白く、学校教育にはむしろ、こういった本が必要なのではないかと思ってしまう。山川のような歴史教科書では、頭に入らないだろう。2014/02/11

nakagawa

2
この本は幕末の大ベストセラーである。この本では楠木正成が理想の人物だとされ、幕末の志士達はみな楠木正成を目標としていた。それは太平洋戦争に負けるまでだった。幕末から明治に変わっても外見は変わったが武士道という精神は引き継がれた。しかし戦後、歴史は否定されるような教育になり、目標とする人物を、見失ってしまった。歴史が引き継がれない国に未来はないだろう。2017/01/04

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