• ポイントキャンペーン

戦場の哲学者―戦争ではなぜ平気で人が殺せるのか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 300p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569772615
  • NDC分類 936
  • Cコード C0012

出版社内容情報

戦場における人間の内面を哲学的に考察する。

戦場において、人間は、いかなる精神状況の下に行動するのか? コロンビア大で哲学を教授した碩学が、戦争体験から考察する。加藤諦三氏推薦。

本書の執筆当時(1950年代)に著者は、「現代の文明は『どこかおかしい。何かが恐ろしいほどに間違っている』という違和感を抱いていた」と、本文中で告白している。これは、第1次世界大戦に始まり、著者が兵士として戦いに参加した第2次世界大戦で、当然の戦策となった、都市や民間人に対しての空爆や、その極端な形である広島・長崎への原爆投下が、人間の行為として、いくら戦時下とはいえ、あまりに、「人の命を奪う」という現実感に欠けているのではないか……という、著者の、哲学者としての根本的疑問だ。この疑問から、本書は出発したといっていいだろう。戦場で、兵士として戦った哲学者の体験的考察である本書は、1959年の発刊から現在まで、アメリカで、戦争哲学のロングセラーとして読み継がれている。邦訳は今回が初めてとなるが、戦争哲学や軍事学から知的に遠い日本人にとって、貴重な一冊となるであろう。

●はしがき
●本書を読まれる方へ 
●第一章 戦争の記憶と忘却 
●第二章 永続的な戦闘の魅力 
●第三章 愛 ――戦争の敵と見方 
●第四章 兵士と死の関係 
●第五章 敵の姿 
●第六章 罪のうずき 
●結論 戦争の未来 
●訳者あとがき

内容説明

第二次世界大戦で兵士として戦った哲学者による、体験的考察。

目次

第1章 戦争の記憶と忘却
第2章 永続的な戦闘の魅力
第3章 愛―戦争の敵と味方
第4章 兵士と死の関係
第5章 敵の姿
第6章 罪のうずき
結論 戦争の未来

著者等紹介

グレイ,J.グレン[グレイ,J.グレン][Gray,J.Glenn]
1913年、米国、ペンシルバニア州生まれ。1938年、ピッツバーグ大学修士。1941年、コロンビア大学博士。博士号を得た当日に、最下級の一兵卒としてアメリカ陸軍に召集され、4年間の軍務に服する。1945年10月、復員。最終階級は陸軍少尉。北アフリカ、イタリア、フランス、ドイツを転戦。スパイの摘発を任務とする部隊に所属していた。復員後は、コロラド大学の哲学教授。1977年死去

吉田一彦[ヨシダカズヒコ]
1936年、神戸市生まれ。神戸市外国語大学卒業。大阪大学大学院修了。神戸大学名誉教授。専攻は情報論

谷さつき[タニサツキ]
北星学園大学文学部英文学科卒業。北星学園大学大学院文学研究科修了。言語文化コミュニケーション専攻。長野オリンピック(1998)、長野パラリンピック(1998)、秋田ワールドゲームズ(2001)、青森アジア大会(2003)、長野スペシャルオリンピックス(2005)等の国際競技会において公式競技通訳を担当。北星学園大学文学部心理・応用コミュニケーション学科非常勤助手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いとう・しんご singoito2

12
アレントきっかけ。良書。著者は晩年のアレントの友人で支え手でもあった人物で、ヤスパースを思わせる温かい人間性を感じました。危機的状況の中で自己の崩壊を体験した上で、なお残された希望は何か、と言う問いかけはアレントの問題意識と共通する。フランクル「夜と霧」の類書と言えるけど、フランクルが精神分析の理論的枠組みと臨床経験をうかがわせる一方、本書は哲学者として人間そのもの、世界そのものに迫ろうとする姿勢が打ち出されていて、ボク的にはより好ましい印象でした。2025/01/08

犬養三千代

6
筆者は哲学博士号の受領と同じ日に大統領からの手紙を受け取ったという。1941年5月8日から1945年10月28日に名誉除隊するまでの従軍日記や手紙をもとに、戦争という事柄がもつ意味を考えたもの。記憶と忘却、戦闘の魅力、愛、兵士と死、敵、罪、戦争の未来。原文には、ハンナ・アーレントの解説がついていたらしいが割愛されている。読んでみたい気がする。2017/10/02

やん

2
ものすごく時間がかかったが、ようやく読了。哲学者が自身の体験をもとに書いただけあって、他の戦争に関する本とは一線を画す。最後の二つの章が特に読み応えがあった。2019/04/23

shimano

1
良書。多くの方に読んで欲しいです。2009/12/30

Mits

1
第2次大戦に従軍した哲学者による戦争についての論考。 前線に身を置いた人に何が起こるのかを論じた前半も、実体験に基づくという意味で迫力があったけれど、実は後半の方が怖いことが書かれている。曰く、「とにかく国家に所属している限り常に罪はある。」 また曰く、「我々は平和な世界を追求する際に、戦争の遂行ではほとんど自発的に発生する一致協力、嬉々とした犠牲、決意、持続性を動員できない」 ただ、最後の落とし所が自然回帰せよってのは、いただけないかも。2009/12/28

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/245814
  • ご注意事項

最近チェックした商品