出版社内容情報
戦場における人間の内面を哲学的に考察する。
戦場において、人間は、いかなる精神状況の下に行動するのか? コロンビア大で哲学を教授した碩学が、戦争体験から考察する。加藤諦三氏推薦。
本書の執筆当時(1950年代)に著者は、「現代の文明は『どこかおかしい。何かが恐ろしいほどに間違っている』という違和感を抱いていた」と、本文中で告白している。これは、第1次世界大戦に始まり、著者が兵士として戦いに参加した第2次世界大戦で、当然の戦策となった、都市や民間人に対しての空爆や、その極端な形である広島・長崎への原爆投下が、人間の行為として、いくら戦時下とはいえ、あまりに、「人の命を奪う」という現実感に欠けているのではないか……という、著者の、哲学者としての根本的疑問だ。この疑問から、本書は出発したといっていいだろう。戦場で、兵士として戦った哲学者の体験的考察である本書は、1959年の発刊から現在まで、アメリカで、戦争哲学のロングセラーとして読み継がれている。邦訳は今回が初めてとなるが、戦争哲学や軍事学から知的に遠い日本人にとって、貴重な一冊となるであろう。
●はしがき
●本書を読まれる方へ
●第一章 戦争の記憶と忘却
●第二章 永続的な戦闘の魅力
●第三章 愛 ――戦争の敵と見方
●第四章 兵士と死の関係
●第五章 敵の姿
●第六章 罪のうずき
●結論 戦争の未来
●訳者あとがき
内容説明
第二次世界大戦で兵士として戦った哲学者による、体験的考察。
目次
第1章 戦争の記憶と忘却
第2章 永続的な戦闘の魅力
第3章 愛―戦争の敵と味方
第4章 兵士と死の関係
第5章 敵の姿
第6章 罪のうずき
結論 戦争の未来
著者等紹介
グレイ,J.グレン[グレイ,J.グレン][Gray,J.Glenn]
1913年、米国、ペンシルバニア州生まれ。1938年、ピッツバーグ大学修士。1941年、コロンビア大学博士。博士号を得た当日に、最下級の一兵卒としてアメリカ陸軍に召集され、4年間の軍務に服する。1945年10月、復員。最終階級は陸軍少尉。北アフリカ、イタリア、フランス、ドイツを転戦。スパイの摘発を任務とする部隊に所属していた。復員後は、コロラド大学の哲学教授。1977年死去
吉田一彦[ヨシダカズヒコ]
1936年、神戸市生まれ。神戸市外国語大学卒業。大阪大学大学院修了。神戸大学名誉教授。専攻は情報論
谷さつき[タニサツキ]
北星学園大学文学部英文学科卒業。北星学園大学大学院文学研究科修了。言語文化コミュニケーション専攻。長野オリンピック(1998)、長野パラリンピック(1998)、秋田ワールドゲームズ(2001)、青森アジア大会(2003)、長野スペシャルオリンピックス(2005)等の国際競技会において公式競技通訳を担当。北星学園大学文学部心理・応用コミュニケーション学科非常勤助手(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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