内容説明
国家の誕生という激動の歴史を舞台にした極上の人間ドラマ。ロムルス建国から共和制の初期の歴史を中心に古代ローマ史の膨大な記録の扉をひらく。
目次
第1部 王制期のローマ(原典:第I巻)(アエネスのイタリア到着;アルバ・ロンガの建設;初代の王ロムルス;二代目の王ヌマ;三代目の王ドゥルス・ホスティリウス;四代目の王アンクス・マルキウス ほか)
第2部 共和制の誕生(原典:第2巻)
第3部 危機に立つ貴族階級(原典:第3巻)
第4部 ガリアによる征服(原典:第4巻・第5巻)
著者等紹介
北村良和[キタムラヨシカズ]
昭和17年、兵庫県生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は支那思想史。秋田大学教育学部を経て、愛知教育大学教授(現在、名誉教授)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ホームズ
20
都市国家だった時のローマの歴史。王政時代から共和制に初期の話。王政時代の王たちの話が良かったな~(笑)共和制にうつってからは貴族と平民に対立の話ばかりで少し退屈。内部対立と外国との戦いの繰り返し。護民官という役職も単に平民を守るというより政争の道具に使われたりしてる感じなんですね。岩波文庫でも上巻だけ出てるけど結構な間続きが出てないな~。アッピウス・クラウディウスって名前が多いな~(笑)他にも同じ名前が多いのは大変だった(笑)2012/12/11
mosao82
3
抄訳だからか、物凄く読み易い。そして面白い。ポエニ戦争以前のローマに関しては余り触れてこなかったので、農地法を巡る争いの根の深さや、第二のルクレティアとも言える女性の悲劇等、初めて知る事も多かった。ポエニ以降が激動と思いがちだけれど、建国以来ずっと激動で、落ち着いた時期なんて無かったようだ...今までパックス・ロマーナという言葉がピンと来なかったけれど、なるほど、コレに比べたら、帝政に入ってローマは平和になったんだ...と思えた。2012/05/01
shou
2
これが書かれた時代を思えば、起源の神聖化は許されているが意義はない、という冷静なスタンスに驚く。争いを重ねる王政への嫌悪や、共和制を維持する努力を延々と描いているのに、アウグストゥス帝がこの著作の出版を援助したというのがパクス・ロマーナの度量か。2013/05/26
fuchsia
1
ローマが都市国家だったころの話。高校の世界史だとギリシャがへたってからポッと出てきたふうな印象のローマですが、半分伝説とはいえそれなりに歴史があったわけですな。てか世界史の視点だと紀元前7世紀ぐらいは普通に中近東をメインに各国交流盛んなわけだし。そんな中で割と地道な今でいうドイツっぽい性質のローマ帝国。今のイタリア(主に南部)とはかなり違うイメージです。でも、女性がらみの事件で歴史が動くのは当時かららしい。2010/12/19