とらわれない―苦しみと迷いから救われる「維摩経」

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  • サイズ B6判/ページ数 223p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784569771564
  • NDC分類 183.6
  • Cコード C0015

出版社内容情報

あなたの思考を揺さぶる、仏教の智慧。

自分で自分に作ってしまっている枠組みのせいで、苦しくなってはいないだろうか。そんな枠組みから私たちを解き放つ「維摩経」の教え。

毘耶離の町に住む、維摩という名の長者が、ある時病気になった。ブッダが弟子たちに見舞いに行くように言うのだが、これまで、ことあるごとに自分たちの「思い込み」を維摩に打ち砕かれてきたため、弟子たちは誰一人として行きたがらない。

▼最後にやっと文殊菩薩が見舞いを引き受け、維摩と対話を繰り広げる。

▼世俗社会の中を生きながら、それに執着しない在家仏教者こそ理想の在り方であること。二項対立構造を点検し、これを解体-再構築する「空」の実践を説き、日本仏教に多大な影響を与えた、初期大乗仏教経典の傑作『維摩経』。

▼知らず知らずのうちに、「こうあるべき」という思い込みに苦しめられてしまっている私たち。そんな私たちの思考の枠組みをも大きく揺るがす『維摩経』の教えを、読みやすい超訳と、解説でお届けする。

●はじめに 
●仏教体系を説く釈尊 ~上巻「仏の国の章(第一章)」と「方便の章(第二章)」 
●病気になった維摩居士 ~「弟子の章(第三章)」と「菩薩の章(第四章)」 
●文殊菩薩登場。維摩のもとへ…… ~中巻「お見舞いに行く文殊菩薩の章(第五章)」「不思議の章(第六章)」 
●生きとし生けるものへの視点と仏道 ~「衆生を観ずる章(第七章)」と「仏道の章(第八章)」 
●維摩の一黙! これぞ『維摩経』! ~「不二の法門へと入る章(第九章)」 
●ダイジェスト下巻「第十章から第十四章まで」 
●私たちと『維摩経』 

[まとめ]関わりを大切にしながら、執着しない ――「縁起の実践」と「空の実践」―― 
●おわりに 

内容説明

さまざまな「思い込み」を片っ端から打ち砕く。ブッダの弟子も怖れをなした在家仏教者、維摩の大喝!

著者等紹介

釈徹宗[シャクテッシュウ]
1961年、大阪府生まれ。龍谷大学大学院、大阪府立大学大学院人間文化研究科比較文化専攻博士課程修了。学術博士。専門は宗教思想。兵庫大学生涯福祉学部教授。NPO法人リライフ代表。浄土真宗本願寺派・如来寺住職。論文「不干斎ハビアン論」で、第五回涙骨賞(中外日報社)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこさん

19
『とらわれない』というタイトルがいかにも悩める人向け、仏教初学者向けの本。内容は口語文による『維摩経』、別名『不可思議解脱経』の概説で、維摩居士の執着に対するアプローチ、実践的な空の痛快な面が強調されていて読みやすい。例えば念仏三昧とか、公案の拈提などの経験があればおそらく平易な内容。聖徳太子の注釈書『三経義疏』の一つが『維摩経義疏』だから、面白さはまさにお墨付き。2022/03/08

クサバナリスト

9
今月のNHK『100分de名著』の課題本は『維摩経』。同番組の指南役の著者の本著を予習ということで読んだ。何となく理解できたが、あとは番組で確認!2017/06/02

新父帰る

5
2009年8月刊。維摩経を超訳。全編を超訳したのではなく、著者の判断でエッセンの部分を超訳。全編の現代語訳を読んでいないので本書との比較はできない。ただ、読後感として分り易く、すーと「空の思想」が入ってきたような感じの入門書だ。存在と時間との不分離。過去も未来もない。在るのは今この一瞬だけ。あると言われるものにも実体がないので、生ずることも滅することもない。あるのは関連性だけ。それが「縁起の論理」となる。実体がないのだから、とらわれる必要もない。とらわなければ、苦も迷いもない。と維摩の言説が延々と続く。2023/07/11

はる

5
苦悩の中を生き抜こうとする私たちが進むべき方向性とは。時と存在が一瞬一瞬の連鎖であり、この一瞬の影響によって次の一瞬が成立する。仏教を学べば、何かものすごいパワーを手に入れることができるわけではありません。むしろ、今、私が、ここにいる、そのことを再点検し、それがどれほど不思議なことかをリアルに実感するところから始まります。今、立っている場が、どれほどの関係性の網の目に支えられているか、それを智慧の目で見つめなおすのです。2019/05/06

乱読家 護る会支持!

2
とってもロックな?在家仏教者の維摩さんと文殊菩薩さんの問答を書いた「維摩経」の本。私、この本をすらすらと、しかも速読で読みこなすだけの智恵はありません。んが、「私は悟った」「私の生き方は、これでいいのだ」と思う事は、瞬間はいいとしても、次の瞬間に「ほんまにそうなん?知らんけど」と、自分の生き方や枠組みを問い直し続けないといけないなあ〜〜と思った次第です。離島で一生を過ごさないといけなくなった時に持っていきたい「歎異抄」と「維摩経」と「北斗の拳」。あれ?2016/06/10

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