内容説明
染司よしおか五代目当主が語る―。着ること、食べること、住まうこと、学ぶこと。自然界から彩りを生み出す名匠が得た「温故知新」の心。
目次
第1話 「衣食住」の衣の話(着ることと原始布のぬくもり;木綿と絹―「紡ぐ」と「績む」こと ほか)
第2話 植物染と「着衣」の話(美しい色には「灰」が必要;自然を巧みに利用する技術 ほか)
第3話 古き「食」と「住」の話(京都の家の建て方;日本家屋の未完成のよさ ほか)
第4話 「吉岡」家と染司五代目(吉岡の家と染屋の代々;日本画家になった祖父は東京へ ほか)
第5話 日本の四季と私の歳時記(小さな命と季節感;日本列島の位置と四季 ほか)
著者等紹介
吉岡幸雄[ヨシオカサチオ]
染師・染織史家・「染司よしおか」五代目当主。1946年京都市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。編集・広告の仕事をへて、88年生家を継ぐ。植物・天然染色による染色を専らとして、日本の伝統色と染織の歴史を研究。古社寺の行事に関わり、国宝の復元に取り組む。2008年には成田国際空港第二ターミナル到着ロビーのアートディレクターをつとめる。2010年第五八回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Ayako Moroi
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染織史家の吉岡幸雄氏の染織と京都の住まい方に関するエッセイ。西洋紙に囲まれて暮らしていると信じられないようだが、紙衣(かみこ)という紙でできた衣は、不織布なので風が通らず保温性が高いとか。柿渋を塗ればレインコート代わりになり、西行はその姿で旅に出ていたという。紙がヨーロッパに伝わるのは10世紀以降、例えばドイツで紙が漉かれるようになるのは14世紀だったということを改めて読み、紙がこれほど発達していなければ日本で(男性ではなく)女性が文学に携わる文化には発展しなかったのではないかと考えた。2015/01/25
Satoko Muta
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復元された正倉院裂の色の鮮烈さに息をのんだ。美術館でガラス越しにみる褪せた色、千年前はこんなに鮮やかだったのか。2014/07/25
ふう
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第三話 古き「食」と「住」の話 に同感。徒然草の精神が、衣食住いずれにおいても必要なのだと思う。「不具なるこそよけれ」「しのこしたるを、さて打ち置きたるは、おもしろく、生き延ぶるわざなり」をモットーにしたい。今、裏庭を少しずつ形にしている充実感ってコレなんだ、と納得。ついでに、子育ても同じことだと割り切ろう。2014/07/02
aoko
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昔ながらの工程には、きちんとした理由があってのことなのだとよくわかる。便利になったことで、賢さを失ってしまったのだなぁ。2014/03/21
mayumi
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☆2010/12/16
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