出版社内容情報
豊臣秀吉が北野大茶会を1日で辞めたのは、ある「桜」が理由だった? 京都を舞台に「植物の探偵」が謎を解く感動のミステリー第四弾。
内容説明
十日間にわたって盛大に催す予定だった北野大茶湯を、豊臣秀吉がわずか一日で中止にした理由は、実は桜の狂い咲きだった?「和の植物の博物館」を作りたいという実菜に、彼女の祖父が突き付けた条件は、その真相を探ること。この難題に実菜が辿り着いた答えとは。そして神苗は彼女を助けることができるのか。京都の四季を背景に植物にまつわる謎を描いた優しい連作ミステリー、ついに完結。
著者等紹介
仲町六絵[ナカマチロクエ]
2010年に「典医の女房」で、短編ながら第17回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞。受賞作に大幅加筆した『霧こそ闇の』でデビュー。『塔』短歌会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
真理そら
55
このシリーズはこれで完結。植物園広報課職員の神苗と植物店の姉妹のお話なので植物好きにはとても楽しいシリーズ。時々ゾワゾワするような虫の話題もあるけれど植物がテーマなのだからしかたないと腹をくくって読んだ。謎に絡む植物が和の植物なので山野草好きにはとても満足できるシリーズ、番外編とかseason2とかがあると嬉しいな。2022/04/24
よっち
43
両親の状況も変わる中「和の植物の博物館」を作りたいという夢を抱く実菜。彼女の祖父ダイゴ種苗社長が資金援助の条件として謎を提示する第四弾。葡萄とリスが描かれた掛け軸に妻が涙した理由、ミノルの友達・久美の母の実家から出てきた籠の真相、雪伸が幼い頃祖父と共に見た山、豊臣秀吉が北野大茶湯を一日で中止にした理由。今回は最終巻ということでやる気を見せた花弥の縁や神苗と実菜のこと、雪伸の何とも複雑な心情がとても印象的でしたが、それぞれの想いや今後を各エピソードに絡めながら描いた素敵な結末でした。次回作も期待しています。2019/11/12
シフォン
36
最終巻。実菜は、将来についていろいろ悩み、みんなからのアドバイスを受けて、「和の植物の博物館」を作りたいにいきつく。しかし、商売はそんなに甘いものではなく、ダイゴ種苗の社長であるおじいちゃんに相談。和久井家の歴史が絡むお題をだされる。最終巻らしく、今までの巻で登場したミノルくんが中学生になって、女友達をつれて登場、花道家の雪伸くんが思い出の場所の謎解きを依頼。豊臣秀吉に背いた桜、なるほど〜皆んながおさまるところに、神苗くん、実菜ちゃん、頑張って、末永くお幸せに。2023/01/28
坂城 弥生
33
シリーズ最終巻。まだまだスタート地点に立った所だと思うのだけど…2024/11/26
Walhalla
27
シリーズ4作目です。京都の四季を背景に、歴史と植物、そしてミステリー要素も交わって面白いですね。『桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿』。今作に出てきたこの諺もそうですが、シリーズを通して植物に関していろいろ知る機会にもなって嬉しいです。これで最終回なのは少し寂しい気もしますが、神苗くんと実菜ちゃんの今後の活躍は、きっと桜の樹々が見ていてくれると思います。2024/02/16