出版社内容情報
いま旬の女性ミステリー作家による、「イヤミス」短編を集めたアンソロジー。見たくないと思いつつ、最後まで読まずにはいられません。
内容説明
ある地方都市で起きた放火事件を通して、自意識過剰な人間の滑稽さを見つめた「石蕗南地区の放火」、過食に走った美人の姉と、姉に歪んだ優越感を覚える妹の姿が鬼気迫る「贅肉」。また、事故死したはずの兄が生きているのではないかと疑いを抱いた妹の葛藤を描く「おたすけぶち」など、読んで心がざわつく、後味が悪いミステリー。人気の女性作家六人の、結末が衝撃的な作品を収録したアンソロジー。
著者等紹介
細谷正充[ホソヤマサミツ]
文芸評論家。1963年生まれ。時代小説、ミステリーなどのエンターテインメントを対象に、評論・執筆に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
馨
327
6人の作家によるイヤミス短編集。面白く惹き込まれました。小池真理子さんの『贅肉』はさすがのインパクトがありました。宮部みゆきさん『おたすけぶち』は安定したイヤミスで構成も良いです。新津きよみさんの『実家』、老いた女性の成れの果ての様なリアリティがありどんでん返しもあり、面白いけど人生の終盤同じようになったら嫌だなと怖くなりました。乃南アサさん『祝辞』、親友朋子の狂う様が面白い。どれもドラマ化出来そうだと思います。2021/07/01
ひさか
284
2019年7月PHP文庫刊。「あなたに謎と幸福を」と同時期に刊行された姉妹編です。文春文庫鍵のない夢を見る辻村深月:石路南地区の放火、双葉文庫贅肉小池真理子:贅肉、光文社文庫痺れる沼田まほかる:エトワール、徳間文庫孤独症の女新津きよみ:実家、新潮文庫夜離れ乃南アサ:祝辞、文春文庫とり残されて宮部みゆき:おたすけぶち、の6遍のアンソロジー。イヤミスなので、覚悟はして読んだが、全編にわたり、気が滅入って落ち込む程のインパクトでした。2020/07/24
うっちー
264
アンソロジーも面白い。著名な作者ばかりで秀逸作品集でした2019/12/15
いつでも母さん
204
豪華ラインナップ!毎日一つずつ読んだ。細谷さんナイスチョイスですねぇ。どれも短編なのにたっぷりと味わえるのが好い。乃南さんの『祝辞』イヤミスと言うよりも痛い!その場にいるような感じがして落ち着かないのは何故でしょう?(汗)イヤミス大好きな方は是非!一気に読了は胸が焼けるかもです。2019/07/16
モルク
143
辻村深月、小池真理子、沼田まほかる、新津きよみ、乃南アサ、宮部みゆきと6名の女流作家さんによるイヤミスアンソロジー。好きな作家さんばかりが、それぞれの特色をいかし、短いながらもきっちりと仕上げてある。どれも甲乙つけがたいが、新津きよみさんの居場所をなくした妻を描く「実家」と乃南アサさんの悪意ある女友達「祝辞」がお気に入り。全てを堪能!おもしろかった!2021/02/22