出版社内容情報
日常の中でふと感じる違和感、自分が信用できなくなる瞬間……。思わず「鳥肌」がたつ瞬間を不思議なユーモアを交えて描くエッセイ集。
内容説明
日常のなかでふと覚える違和感。恐怖と笑いが紙一重で同居するエッセイ集。第33回講談社エッセイ賞受賞作!
目次
他人に声をかける
原材料という不安
ヤゴと電卓
自分以外の全員が実は
鹿の上半分
落ちている
京都こわい
裏
似ている
後からぞっとする〔ほか〕
著者等紹介
穂村弘[ホムラヒロシ]
1962年、北海道生まれ。歌人。1990年、歌集『シンジケート』でデビュー。エッセイ、評論、絵本、翻訳などでも活躍中。著書に、歌集、エッセイ集、詩集など多数。『短歌の友人』で伊藤整文学賞を、『鳥肌が』で講談社エッセイ賞を、『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
78
文庫版で再読。他者と関わる怖さという点に集約される恐怖。自分でさえも制御できない何かを抱えているのではないかという恐怖。私はここまで怖がりではないのだけど、いやだなあ、と忌避するポイントはいくつか似通ったものがあって、人間だものと思わされる。初読のときよりいくらか分析的に読めたような気がした。2019/08/19
けぴ
57
『ダヴィンチ』で短歌の選評をいつも読んでいる穂村弘さん。今回はエッセイを拝見しました。この人の表現はどこか独特なものがあり、文章を読むと穂村さんだな、と分かる。鳥肌がたつような怖い話とのことですが、日常に潜む心理的な怖さで、いわゆるホラーではありません。豊悦の話がお気に入り。表紙が鳥肌になっているところもポイント高い!2022/02/01
あんこ
55
装丁が凝っていると思ったら、祖父江慎さんの装丁でした。にょっ記のゆるいエッセイとは違って、日常の違和感とその恐怖を淡々と話すエッセイ。暑い日にはなんとなくぴったりでした。引用されていた怪談集が気になったのであとで読んでみたい。わたしは、今も昔も赤ちゃんを抱くのが怖いです。2019/07/10
Akira
46
初穂村さん。読み友さんが読んでいて気になって購入。ぞわぞわってのもあったけどそうでもないのも結構あった。誰もが日頃遭遇しそうな場面で「こわさ」を感じる感性よりも、それを文章にまとめる凄さに感心した。もの書きさんは凄い。表紙のブツブツが一番これ持ち悪かったけど、カバーしたからそれも忘れちゃってた。2019/09/26
ちゅんさん
45
穂村さんが恐さを感じることをまとめたエッセイ。私は穂村さんと似てるのか“わかるわかる”のオンパレード。日頃感じた“ちょっと恐い”や“小さな違和感”なんて私は次の日になれば忘れるのにこの人はずっと覚えてて文章にしてしまう、それも抜群に面白く。そこに“同じこと感じてるのに…”と若干の妬みや劣等感を感じてしまうけど、結局は楽しく満足して読み終えている。2019/08/28