出版社内容情報
夜鷹が三人、腹を裂かれて殺された。血の臭いをさせ、おいちを訪ねてきた男は下手人なのか、それとも……。人気の時代ミステリー第三弾!
あさのあつこ[アサノアツコ]
著・文・その他
内容説明
この世に思いを残した人の姿が見えるおいちの前に、血の臭いをまとった男が現われる。商家の若旦那だというこの男は、亡き姉の影に怯えていた。一方、おいちの住む深川界隈で、夜鷹殺しが立て続けに起きる。その猟奇的な手法に衝撃を受けたおいちは、岡っ引の仙五朗と力をあわせ、ある行動に出るのだが…。生き方に悩みながらも、強く生きたいと願う女性を描いて人気の、青春「時代」ミステリー第三弾!
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年、岡山県生まれ。青山学院大学文学部卒業。小学校の臨時教師を経て、作家デビュー。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、『バッテリー1~6』で小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
96
腕利きの仙五朗親分が犯罪の捜査と謎解きにおいちの能力に頼るようになってきたことで、ミステリ色が一段と強くなった巻です。 犯罪の背景にある家族のあり方が、とても陰惨です。それが犯人を猟奇的な殺人に至らせたかと思うと、"おいち、そんな家に居てはいけないよ。早く、お父さんと叔母さんのところに戻っておいで"とつい口をついて出てしまいます。まるで、もう一人のおせっかいな叔母さんになったようです。 それにしても、おいちも成長しているのですね。幼い娘特有なあの甘酸っぱい思いが少しづつ薄れてきているようです。2022/07/03
はつばあば
66
視える・・三巻も続けて読むとちょっと疲れました。学生時代、色々な多重人格の本を読んでいましたが心から納得できない事を、平凡に生まれたせいだと思ったものでした。「闇に咲く」お京ちゃんのふんわりとした笑顔を潰すのは誰?死んだ人より生霊の方が怖い。恨みつらみは代々引きずっていくのかもしれない。それを吹っ飛ばすには心からの笑いと笑顔。弥勒シリーズの伊佐治といい、この仙五朗といい、どのシリーズにも登場するいぶし銀のような岡っ引きの存在感がたまりません。勿論主人公はいちさんですが(^^;2018/05/18
pohcho
56
シリーズ第三弾。夜鷹を狙う連続殺人事件が起こっておいちが商家に潜入捜査!?だんだん探偵みたいになってきたなと思いつつ、少女の幽霊が可愛くて悲しかった。若旦那の心の病は現代に通じるものがあるなと思う。今作も面白かった。2023/01/12
dr2006
53
医師である父松庵を手伝うおいちの”不思議がたり”シリーズの第三弾。おいちにはこの世に未練を残した人の姿が見える。連続夜鷹殺しに江戸の町が震える時頃、大店いさご屋の若旦那庄之助が松庵のもとを訪れた。中性的な美しさを放つ庄之助は、不運の死を遂げた双子のお京に自らが乗っ取られているという。庄之助が心の病に罹っていると見立てたおいちは単身いさご屋へ赴くが…。この作品は不思議がたりという切り口で生死を境目なく扱い、現(うつつ)の人物描写に深みを出している。父を尊敬し医者を志す若いおいちの姿にエールを送りたい。2020/04/19
み
30
新吉さん応援してますよ(^^)/おうたさんの身体の件は今作で触れられずなのが、気になりました。漫才級のやり取りは、ずっと読みたいです。今作の若旦那は、優しいヒトだったんでしょうね、周りに恵まれずに可哀想。2019/08/23