出版社内容情報
壮絶な長篠合戦を経て、真田家を継ぐ運命を背負った昌幸。しかし武田家は滅亡し、さらなる苦難が襲い掛かる……。稀代の謀将の生涯。
海道龍一朗[カイトウリュウイチロウ]
著・文・その他
内容説明
誰も救えぬ温情よりも、何かを救う非情を―!壮絶なる長篠の合戦で二人の兄を失い、真田家を嗣ぐこととなった昌幸。しかし武田家の滅亡を食い止めることができず、信長から秀吉へと天下の趨勢も大きく移り変わっていく。昌幸は戦国乱世という荒波の中で真田家を守るため、次々と非情な采配を下していくのだが、そこに徳川家康からの理不尽な要求が突きつけられてきた…。果たして昌幸の決断とは。
著者等紹介
海道龍一朗[カイトウリュウイチロウ]
1959年生まれ。2003年に剣聖、上泉伊勢守信綱の半生を描いた『真剣』でデビュー、中山義秀文学賞の候補作となり、書評家や歴史小説ファンから絶賛を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
31
長篠の戦い以降の衰退した武田家において、上野や新府城の仕置に活躍していますが一族の裏切り等により、武田は一気に滅亡し、滅ぼした信長も本能寺でなくなります。その中においても最善の道を導き出そうとする昌幸の苦悩がなかなかすごいです。城の配置図は位置関係のイメージアップにいいです。2023/02/04
綱成
8
長篠合戦後、真田の惣領として活躍する昌幸。上州攻略と武田滅亡の上巻。立志編では青く若い昌幸が描かれていましたが、なりふり構わず大事なものを守ろうとする従来のイメージどおりの昌幸。一方で滝川とのやり取りは、本来持つ誠実さも垣間見えます。2018/03/21
あい
2
とうとう武田が滅んでしまった……。昌幸視点だから、どうして勝頼様がたった一日で決意を変えたのかが分からないのが気になってならない。真田家を守るため、これから本領発揮な昌幸がとっても楽しみ2019/05/15
熱東風(あちこち)
2
今回もとても面白かった。/長篠の戦いの後、家督を継いだ真田昌幸は上野から信濃一帯の地歩を固めるべく奔走する。/今回の昌幸は前巻までとはまるで別人。真田一族を背負って守ってゆくにはどう進むべきか――信玄の薫陶を受けたその生きざまは、小規模ではあるがまさに「小信玄」とあだ名されるに相応しい。/武田滅亡から本能寺の変で織田の支配が崩壊し、北条・徳川・上杉の間を綱渡りの如く生き延びてゆく。そんな中、徳川との間にきな臭い雰囲気が漂ってきたところで下巻へ。/余談だが、手書きの地図は味はあるけどやや見づらい。2018/06/23
せいさん
1
長篠の戦いから、武田家の滅亡、生き残りをかけた撤退戦、北條と上杉を相手にした上野の争い、信長の侵攻、そして本能寺の変による状況が一夜でひっくり返ったりと、休まることのない日々。一気に読了。このスピード感と読みと合同力、まさに謀将 真田昌幸。下巻に期待。2019/10/23