出版社内容情報
現代の価値観は錯覚だらけ!? 科学で全て予測できる、個性は心にある、都市化こそが進歩……。そんな常識を覆す養老流「世の中の見方」。
内容説明
「都市こそ進歩」「個性は心にある」「バリア・フリーの社会を」―世の中の常識となっている価値観は、現代人の錯覚にすぎない!社会の本当の姿は、反対側から見て初めて、わかってくるのだ。本書は、養老流の逆さメガネで、戦後から現代にかけて浸透した「都市主義」「脳化社会」のゆがみを鋭く指摘したもの。あなたは常識にしばられず、本質を見抜けるか。
目次
第1章 現代人の大きな錯覚―“逆さメガネ”の教育論
第2章 都市化社会と村社会―脳化社会の問題
第3章 身体感覚を忘れた日本人―都市化と身体
第4章 大人の都合と子どもの教育―問題は親にあり
第5章 変わる自分、変わらない自分―心と身体の関係
第6章 人間が幸福にならない脳化社会―意識的世界の限界
第7章 ふつうの人が幸福に暮らせる社会―共同体を生きる
エピローグ 男と女は平等か―人間を分割してしまうもの
著者等紹介
養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業。専門は解剖学。1995年東京大学医学部教授を退官し、同大学名誉教授に。2006年京都国際マンガミュージアム館長に就任。2017年より同名誉館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デビっちん
34
常識が傾きつつあることは、頭で考えていてもダメで、身体で感じることで、それがわかる。と言う文を読んで、目から鱗が落ちました。そんなパラダイムシフトを生じさせる「逆さメガネ」の例がたくさん紹介されていましたが、メガネ=都市化、逆さメガネ=自然、と考えると言葉が逆説的だと思いました。2018/01/17
さきん
26
著者が大学講義を通して話が通じなくなったと感じなくなった原因に日本人の都市住民化、脳化社会化を上げている。2018/01/04
デビっちん
22
再読。以前受講したことがあるパソコンのショートカットキー講座の副題が脳の思考回路をつなぎ直すというものでした。受講後に実際考え方や思考法が変わったんですが、なぜそうなったかは不明でした。本書の反復の大切さの項目にそうなる理屈が説明されていて、なるほど!の一言です。2019/05/27
デビっちん
21
再読。頭を使ってインプットするのではなく、身体を使ってインプットこそが頭を良くする秘訣のようです。考えることは頭を使っているようで、実は休んでいると昔聞いたことを思い出しました。2019/03/12
澄
13
平易な語り口調でサクッと読める。その為、かなり鋭いことを語っているが気付かずに読みすぎてしまうことも、、、 常識と思っていることは非常識であるかもしれないし、自分が見ているものはある一面だけかもしれない。2018/01/30