出版社内容情報
江戸は下町、本所おけら長屋。住人の文七とお糸の祝言が間近に迫るなか、西方より流行病が……。風雲急を告げる急展開の第六巻。
【著者紹介】
小説家
内容説明
本所亀沢町にあるおけら長屋は、今日も騒がしい。密かにお染のあとをつける大工の又造。その意外な理由とは。花見で浮かれる長屋の連中をよそに、一人沈む万造。ひょんなことから五十年前の真実が明らかに。八百屋の金太に嫁取りの話が!?お糸と文七の祝言が近づく長屋のあちこちで難事が発生。折しも流行病が西方から江戸へ、そして本所にも…。笑って泣ける大人気連作時代小説、シリーズ第六弾。
著者等紹介
畠山健二[ハタケヤマケンジ]
1957年、東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。日本文芸家クラブ会員。2012年、『スプラッシュマンション』(PHP研究所)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
192
本巻は今まで以上に長屋のメンバーを色濃く描かれた感があった。『しおあじ』はお染の過去を絡めて切なくキュンとさせられ『ゆめとき』は万造の生い立ちでシンミリしたり笑ったり『とうなす』では金太の縁談から普段のドタバタ喜劇を楽しみ『やぶへび』~『だきざる』の前後編仕立てで、お糸の嫁入りを核にした見事な人情喜劇が一気読みの面白さだった。馬鹿らしい万松&八五郎の企てから流行り病騒動も加わって、最後は泣きで落とすなんて、正に職人芸!そして、万造が男を上げる巻とも言えた。益々、先々が楽しみになる名シリーズに育っている。2020/02/14
やま
171
本所おけら長屋6作目 2016.03発行。字の大きさは…中。しおあじ、ゆめとき、とうなす、やぶへび、だきざるの5話。本所亀沢町にあるおけら長屋の住人がおりなす泣けて笑える人情物語です。おけら長屋の住人・万造、松吉と島田鉄斎が、長屋のお染の22年前の思い出の人・又造と引き合わせる。畠山健二さんの本を読むのは初めてです。 第1話~5話までは、字が小さくて読めません。第6話から読んでいます。読んでいると、よく笑いが出ます。ほんと落語かなと思える笑いです。最後は、長屋のお糸が文七と祝言を挙げるくだりがいいですね。2020/09/09
のり
123
シリーズ6作目・最高傑作。お染の後をつける又蔵。薄気味悪い行動のウラにあったのは20数年前の出来事だった。更に驚愕の真実?やんわりと否定する「お染」は粋な姐さんだ。流行病に臥せた「お満」の為に奔走した万造。二人の距離もグンと縮まる予感。そして「お糸」の祝言前のドタバタ劇。根付を取り戻した万松の二人。八五郎とお里の前に、こちらの涙が決壊した。娘を嫁に出すのは、いつの時代も変わらないのだ。2018/10/22
nico🐬波待ち中
106
いやー、見直したよ万松コンビ。なかなかやるじゃねぇか。さすがは粋を大事にする江戸っ子だねぇ。それでこそ男の中の男だよ。お糸ちゃんの幸せを願う八五郎さんとお里さんの親心も、お糸ちゃんを可愛がりそっと寄り添うおけら長屋のみんなの真心も、全てが良くて泣けた。おけら長屋で育ったお糸ちゃんはどこへ行っても大丈夫。おけら長屋のみんなはいつでも、変わらぬ場所で変わらぬ仲間で、お糸ちゃんのことを想っている。お糸ちゃんはお里さんから託された根付を眺める度に、おけら長屋の人情や優しさを思い出すのだろう。2020/09/13
ぶち
95
お糸ちゃんの幸せを願う八五郎さんとお里さんの親心に泣けて、泣けて..... お糸ちゃんを可愛いと思うおけら長屋のみんなの気持ちにも泣けてしまいます。 お糸ちゃんの花嫁衣裳の帯から下げられた子猿を抱いた親猿の根付にまた泣いて... それに、万造もお花見を心から楽しめるようになって本当に良かったと思います。その万造が大活躍した流行病のお話ですが、コロナを思い出してしまいます。江戸も東京も変わりませんね。それにしても、万造とお満の仲はこれから発展していくのでしょうか… 楽しみが一つ増えました。2024/05/14
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