PHP文芸文庫
桜と刀 俗人西行

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  • サイズ 文庫判/ページ数 198p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784569764948
  • NDC分類 911.142
  • Cコード C0195

出版社内容情報

歌人や武人としての面や政治との関わりを検証しつつ、これまでにない西行像を紹介。源平の時代を西行を軸に読み解いていく歴史読み物。

【著者紹介】
作家

内容説明

「漂泊の歌人」「数寄者」として語られる西行。しかし、その実像は、武のエリートかつ武術の達人であると共に、恋に悩む武士であり、出家してからも上司・部下の関係だった平清盛をはじめ、崇徳上皇や後白河法皇とも深く関わっていた。急逝した著者が歴史小説で描きたかった人物である西行の、従来のイメージを捨て、“俗”の部分に光を当てて新たな姿を浮かび上がらせた歴史読み物。

目次

第1章 武人・西行(武芸の達人;武のエリート)
第2章 恋の人・西行(恋・戦さ・旅の歌;出家の謎)
第3章 政治と西行(崇徳院;平家;後白河院)

著者等紹介

火坂雅志[ヒサカマサシ]
1956年、新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、出版社勤務を経て、88年、『花月秘拳行』でデビュー。2007年、中山義秀文学賞を受賞した『天地人』は、09年のNHK大河ドラマの原作になった。15年、58歳で逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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onasu

12
歴史上では歌人と称される西行が、鳥羽院に仕える北面の武士佐藤義清(ノリキヨ)であったと記憶に留めたのは、数年前の大河ドラマ。そんなんで、著者のデビュー作が西行に纏わるものだったのも初耳。  それにしても、鳥羽院、後白河院、平清盛、源頼朝、奥州藤原氏…、と当時の名だたる人々と顔を合わせているという稀有の人物だ。中でも、出家前には同い年の清盛が上司だったこともあるとか。  そんなんで、事ある毎に俗世から離れられない、との切り口がおもしろい。確かにこれなら、作家でなくとも、何かに関わっていたと思いたくもなる。2016/03/29

donky

2
西行を武人の角度から論した著作は初見。蹴鞠の技巧が「早業」の習得、古武術に通じるとはユニークな説です。また頼朝との対面が秀郷流の兵法伝授を巡ってのことだとか、奥州訪問が璋子や崇徳への鎮魂としての丑寅詣での側面もある、弘川寺での往生が断食によるものだとの説は大胆な仮説…。しかし荒唐無稽な話でもないと思わせる考証文体。いずれにせよ歌解釈の字面を飛び越えた推論は著者ならではです。小説の下書きなら、その志を遂げずに亡くなった著者の構想を如実に見られないのが残念です。武人西行も密教具現者西行も壮大な夢のままです。2016/01/20

はちめ

1
作者が強調するように西行を聖人のように解釈するのは違うと思う。俗人の部分をどう表現するかで西行の人物像が違って来るわけだが、そこは歴史家ではない小説家の自由として思いきった解釈もあって良いと思う。あくまでも創作の世界なのだから。2016/03/03

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