出版社内容情報
日本人の「美しい精神」は、江戸時代の藩校教育にこそ源流がある。会津藩校、長州藩校はじめ、今に残る藩学の精神を訪ねる歴史紀行。
【著者紹介】
作家
内容説明
日本人の世界から称賛される「美しい心」の原点は、じつは江戸時代の藩校教育に源流がある―本書は、各藩の俊才が集った昌平坂学問所を出発点に、会津藩校・日新館から長州藩校・明倫館まで、13の藩校ゆかりの地を訪ね、今に息づく優れた人間教育の原点に触れる歴史紀行。「学問とは人としての道を知るためのもの」と考えた江戸期の教育の本質にせまる!
目次
昌平坂学問所
会津藩校 日新館
水戸藩校 弘道館
佐賀藩 多久聖廟
高遠藩校 進徳館
岡山藩 閑谷学校
庄内藩校 致道館
津和野藩校 養老館
松代藩校 文武学校
津藩校 崇廣堂
薩摩藩校 造士館
長州藩校 明倫館
番外編 徳島藩校 長久館
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年、栃木市に生まれる。東北大学文学部卒。文藝春秋勤務を経て91年より文筆活動に専念。87年『明治新選組』で第10回エンタテインメント小説大賞、93年『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年『二つの山河』で第111回直木賞、2005年『落花は枝に還らずとも』で第24回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hr
2
Kindle Unlimitedで津藩の箇所と巻末対談を読了。対談の山内昌之の薩摩推しがバランスを欠くレベル。「戊戌の変法」やタイのチャクリ朝の改革と薩摩の動きを並べて扱うなど暴論すぎる。「他国は中央の改革だが、日本は地方の改革」と言いたいようだが、だいたい時代が数十年違う。中央政府である幕府の、薩摩と同時期の反射炉造営を無視して印象を誘導しようとする悪意だ。戊辰戦争をアメリカ南北戦争と比較したりもしているが、比較で良し悪しを論じる意味などない。山内が歴史学者としてキャリアを築いてきたことが信じられない。2025/02/01
チョビ
1
お金がない所以に昔の人もゆとり教育な時代もあったわけで。しかしたまに出てくる熱心な教育長(藩主ともいう)によって、礼節を教え、基礎から応用まで、しかも能力別でクラス分けしたり、40歳くらいまで学んでてもokだったり、自主的に学んでもokなど、もう様々。ところによっては武士階級以外の子供にも教えているわけで、藩校というのはエリート学校という印象が一気に薄れたし、藩校が成立しているところほど、武士以外の子供も礼節を知っているわけで。きちんと教えれば小学生でも礼節は学べます!ということを改めて知った一冊。2015/01/27