出版社内容情報
ライバル製品の台頭。会社の看板に胡座を掻く奴。口だけの上層部。問題山積の宣伝部で闘う“俺”の姿を描く痛快エンターテイメント。
【著者紹介】
作家
内容説明
ライバル商品の台頭、口だけの上司、社内政治に長けた同僚…、みんなまとめてかかってこい!―支店から本社の宣伝部に復帰した上杉。ウイスキーの売上は低迷し、会社が打ち出す販売戦略も迷走つづき。そんなとき、上杉の前に現れたのは、伝説のブレンダーだった。彼との出会いで会社のウソを知った上杉は、巨象相手の大勝負に出る!『ビア・ボーイ』につづく痛快エンターテインメント。
著者等紹介
吉村喜彦[ヨシムラノブヒコ]
1954年、大阪生まれ。京都大学教育学部卒業。サントリー宣伝部勤務を経て、作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
74
ワインがブランデーになるように、ビールが樽の中でウイスキーに生まれ変わる〈蒸留〉という魔法。蒸留のプロセスを死と再生にたとえた酒造りの描写は素晴らしかった。口に含むとふっと消えて、芳しい香りと味の記憶だけが残る〈チェシャ猫の笑い〉のようなウイスキーを飲んでみたい。前作『ビア・ボーイ』に続き、何事にも直球勝負で挑む主人公・上杉朗。上司への失望、そして対立が臨界点に達する。前作ではこのキャラがストーリーにマッチしていたけど、今回の舞台設定ではやや鼻につくところも。組織と対決する方法もあまり共感はできなかった。2015/05/08
再び読書
56
前作を上回る面白さで、サントリーのオールドで噂されていた事が真実だったのがわかる。本当のウィスキーファンからはニッカの方が評価が高いのは、この品質よりCMという姿勢が問われた事を覚えて欲しい。ウィスキーの語源はゲール語の命の水にあたるウシュクベーハからきていると言われているし、蒸留酒を精神とみたててスピリッツと表現する事を特にサントリーは認識して欲しい。魂無き所に仕事の矜持は宿らない!ジャパニーズウィスキーは世界の5大ウィスキーである自負を持って欲しい。ほとんど自分の思いが迸ってしまった酒に対する感想!2016/01/23
siro
50
前作より主人公の男振りが上がってる。自社の製品を自信を持って世に出したいという感覚を持たない人には作る側にはいてほしくない。後半の会社の不正を暴こうと奮闘する様子はハラハラしながら読みました。効率ばかりを優先すると仕事は雑になるもの。お客さんの顔が見えていないと駄目ですよね。自分自身の仕事に対する心構えをもう一度再確認しました。普段はビール派であまりウイスキーは飲まないのだけれど、おもわず飲みたくなる描写も◎2016/09/21
mr.lupin
44
以前に読了した『ビア・ボーイ』の続編かと思って手に取ってみたが、何となく違和感を感じた作品だった。いや~きっと皆さんとの視点の違いなのかなーと、他の方のレビューを拝読して思わずそう感じてしまった。ウイスキーを販売する為にあんな事、こんな事を仕掛けて奮闘するイメージがあったけど、ちょっと的が外れすぎたかな。でもウイスキーを飲みたくなるような一冊だった。 ⭐⭐★★★2022/12/08
翔ちゃん
27
主人公は大手酒販会社のサラリーマン。本編はビア.ボーイの続編で、前回は地方転勤でのビール営業奮闘、今回は本社戻りでの広告宣伝ウィスキー奮闘が描かれています。どちらも、お酒を通して、色んな意味合いで世の中が描かれています。人生には、ままならない事もあるけれど、お酒にも救われる時間もありますよね。ほろ酔い加減は気持ちよいもの。「ひとのために生きるとき、ひとはいちばん力が出るのです」ブレンダーの言葉を忘れないでおきましょう。★★★★★2014/08/06