出版社内容情報
織田信長に振り回されながらも、懸命に生き抜こうとする有名無名の家臣たちを、彼らの目線で描く連作短編。「あるじシリーズ」第1弾!
【著者紹介】
作家
内容説明
上様、そんな理不尽な―織田信長は、出自にかかわらず、力ある者を抜擢したことで、天下人へと駆け上がった。しかし、その裏では、成果至上主義にとまどい、翻弄された家臣たちが…。兄か信長かを選ぶ破目に陥って悩む佐々内蔵助、合戦ではなく筆で身をたてようと決意する楠木長諳、信長の成功を真似て無謀な策に出る別喜右近など、あるじに振り回されつつも懸命に生きる男たちを、彼らの目線で描く。「あるじシリーズ」第一弾!
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年、岐阜県生まれ。一橋大学経済学部卒。メーカーに勤務する傍ら小説を執筆し、96年、『一所懸命』で小説現代新人賞を受賞してデビュー。98年に『簒奪者』で歴史群像大賞、2003年に『月ノ浦惣庄公事置書』で松本清張賞、『村を助くは誰ぞ』で歴史文学賞を受賞。05年、『十楽の夢』が直木賞候補になる。08年に『清佑、ただいま在庄』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mapion
280
短編集。信長絶好調の時代に、信長の顔色をうかがいながら仕事をしていたのは戦場で働く武士だけではなかった。神主と神官、右(祐)筆ほか余りスポットの当たらない人々が主人公になる。『たわけに候』では本能寺の変を起こしたのはなぜか、作者なりの光秀の思いが描かれる。『天下を寝取る』では御座所を管理する武士が、信長不在をいいことにやってはいけないことをしてしまう。最後の1ページでこいつがそうなるのかと驚く。全編可笑し味を以て語られるいつものスタイル。他の短編も、私にとっては安心して楽しめる岩井三四二氏の作品です。2025/10/15
優希
48
信長を「あるじ」とした8人の武将たちの短編集です。信長の生涯は色々語られますが、僕のことは殆ど語られていないので興味深く読みました。面白かったです。 2022/07/17
ウィズ
21
岩井先生の作品は、いい意味でライトでサクッと読めます。2014/03/31
to boy
15
そこそこ面白かったが期待ほどではありませんでした。信長を巡る人たちの小話です。でも、ふと思いました。家来と現代のサラリーマンの違い。家来は個人(信長)に従いますが会社員は組織に従うと。組織は部門長が入れ替わるので流動性があるということです。2014/04/04
maito/まいと
14
信長をあるじに持ったことで人生狂った方々の短編集。でも、ちゃんと読むと信長のせいじゃないことがほとんどなんだけど(苦笑)尾張の一領主でしかなかった信長が飛躍していく過程に置いて、その流れに乗っていったように見えた家臣たち。でも欲望まで解放したが故に、えらい目にあってるなあ。ちゃんと規模や組織と一緒に変わっていかないと、こうなる、っていう教訓になる1冊(涙)2019/02/14




