自殺について

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 167p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784569708652
  • NDC分類 134.6
  • Cコード C0010

出版社内容情報

ショウペンハウエル「自殺について」の新訳。

本書は自殺のすすめではない。人生に対する見当違いの幻想に苦しめられる我々への、哲学者による解毒剤である。平易な新訳で提供。

本書は、ドイツの哲学者ショウペンハウエルの人生と自殺に関するエッセイ三篇を新訳したものです。現在、この国はたいへん暗い世相ですが、ショウペンハウエルの人生観は、このような時代にこそ、意義を持つものではないでしょうか。

▼――この世界、そして人間もそもそも存在すべきではないという確信は、実はわれわれが互いに寛容な気持ちで満たされるのに役立っている。というのも、このような苦境にある人々から、われわれは何を期待するだろうか? こうした視点から見ると、次のような考えが浮かんでくる。人と人との間で呼びかけるときにもともと使われている「ムッシュー」とか「サー」等の代わりに、「苦難を共にする人」という言葉を使ってはどうか。かなり風変わりに聞こえるかもしれないが、状況にはたいへんふさわしく、他人に正しい光を投げかけ、最も必要なことを思い出させるのである。すなわち寛容、忍耐、思いやり、隣人愛である――。

●まえがき 
●世界の苦悩について 
●存在の虚しさについて 
●自殺について 
●訳者あとがき

内容説明

全く幸福であると感じた者は、まだいないであろう。いるとしたら、そもそも酔っぱらっていたのだろう。「人生の幻滅」への解毒薬。読みやすい名著新訳。

目次

世界の苦悩について
存在の虚しさについて
自殺について

著者等紹介

河井眞樹子[カワイマキコ]
学習院大学文学部ドイツ文学科卒業。東京大学大学院独語独文学専攻修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

金吾

14
死と意識の関連性と意識をうみ出してきたそのもののとの非関連性はよく悩んでいた部分なので自分なりに理解できました。またキリスト教聖職者たちが自殺を禁ずる背景(苦悩が人生本来の目的)も正しいか否かはわかりませんが、理解しやすく書いていました。2020/10/13

かぼす

4
キリスト教は生きることの「受苦」が人生の真理への道とされ、自殺は禁忌とされた。しかし自殺の行為を宗教的に明確に否定する事はそうは出来ない。”人生なるものはどんな方法でもよいからひきのばして行かなければならぬほどに愛されるべきものではない”と引用されている言葉の通り、自ら生命を終息させた人々をどんな立場から非難できるのか。 でも。 年をとると枠組みに組み込まれ自由にも死ねない。それでも自分の人生に終止符を打とうとしてる事だけは伝えて欲しい、と強く願う。権利を行使するだけが正解では無いかも知れないから。2016/04/10

yuya

1
幸福なんかそんなものはなくそれに似たようなものを味わっているだけ、不安定がこの世の基本形である2019/06/24

しんすけ

1
ショーペンハウェルの晩年の著作『付録と補遺』より、「世界の苦悩について」、「存在の虚しさについて」、「自殺について」の三篇を収録。三篇とも岩波文庫の『自殺について』に収録されているものだ。翻訳者の河井眞紀子さんは哲学畑の人でないようで岩波文庫とはずいぶん雰囲気が異なる。率直な感想として、こちらのほうが明快だった。人間の生存期間は、死の期間(生前も含めた)に比して、確認すら出来ない僅かなものにすぎない。そして、生存に意義を見つけようとする行為の馬鹿らしさ。それらがスンナリと胸奥に入ってくる読書となった。2015/03/21

1
作者の世界認知の上での話で、世界は一般的にこの本の中のようではないと私は思うので歪んだ社会認知の観点から人を見てるなーって思った。普遍性を、あまり感じないというか、なんというか。それか過去と現在で世界の有り様が変わってきててジェネレーションギャップがあるのか。何にせよあんまり普遍性を感じなかった。言ってること自体はわかる。けどもっとすごい本かと勝手に思ってたからやや肩透かし。私にはあんまりあわなかったな。2013/10/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/373194
  • ご注意事項