遭難者を救助せよ!―富山県警山岳警備隊 極限の任務に立ち向かう男たち

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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569694528
  • NDC分類 786.1
  • Cコード C0075

内容説明

世界にたった一つの命を救え。3000メートル級の山々が連なる北アルプスで、山の安全を守る富山県警山岳警備隊。救助要請とともに、雪山や転落の危険がある切り立った岩壁へも向かう。自らに苦しい訓練を課し、命を危険にさらして、人命救助にかける男たちのドラマ。

目次

第1章 鉄人たちの涙(道はヒマラヤに通じていない;僕は神の奇跡を信じている;助けたい、この子もいずれ母親になる;暗転の登山がもたらした葛藤の日々)
第2章 全員無事帰還せよ(登山の大衆化から生まれた山岳警備隊;指揮官たちが語る壮絶な生還ドラマ)
第3章 こちら山の派出所、ただいま異常なし(「僕はここで一人前になります」;誰かが鬼の教官にならなければ…;パトロール場所は標高三〇〇〇メートル)
第4章 命預けあう山の隣人たち(北アルプスに「神の翼」が舞い降りる;育ての親は山岳ガイドの男たち;山と人を愛した半世紀の診療奉仕)
第5章 僕らも隊員になっていいですか?(北アルプスで味わう基本給二〇万円の幸せ;僕も人命救助の仕事に就きたい;除隊して望んだのは刑事の世界)
第6章 登頂なきアルピニスト(転職で得た山の天職;「自分たちは登山家じゃない」)

著者等紹介

細井勝[ホソイマサル]
1954年、石川県生まれ。20年の新聞記者生活を経て、フリーランスとして独立。都市環境マネジメント研究所特別研究員。同研究所が隔月で企画・発行する産業、学術、地域振興のオピニオン誌『学都』の編集長を務め、ルポルタージュを中心に執筆活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぶんこ

42
救助に当たる人々にも妻子や親もいるのに、悪天候にもかかわらず強行登山する人を助けるとは胸が痛い。加害者になるよりは被害者になる方を選びたい私には、他人の命をさらし、多額な税金を使って救助されたとなると一生苦しむだろう。そんな思いで読み終わろうとする最終章で「どんな人でも(中略)かけがえのない家族であることを思えば、世界に一つの尊い命を助けない訳にはいきません」と言い切る山岳警備隊の言葉に感動しました。2017/08/11

ビブリッサ

14
滑落するなら富山側にせよ!と登山者に云われる程、山の猛者の集団である富山県山岳警備隊。彼らの目的は頂上ではない、山での遭難者を助けることだ。鍛錬を積む先にヒマラヤはない(華々しいアルピニストとしての登攀歴には結びつかない)。隊員たちは一人一人がそれぞれ山に関する歴史と思いをもって職務に当たっている。隊発足の折には、一般の登山者よりもみすぼらしい装備だった。山麓の案内人達に頼らなければならない素人だった。今は違う、任務への責任感と苦しい訓練と隊員同士の連携と各々の矜持が彼らを支えている。2016/04/18

ヤマセミ

5
警備隊、ヘリのパイロット、山岳診療所の医師、山岳ガイド、さまざまな立場の人のルポ。どうしてなったのか、どんな救助体験があって、どう思ったのか等、ひとりひとりの心の中に踏み込んでいる。実にいろんなケースがあって、一つの物語を読むようなわけにはいかず、少しずつ読んでいった。共通しているのは、どの人もまっすぐな使命感を持って、体を張っていること。楽しい登山は、黒子になってガッチリ支えているこういう人たちに支えられているのだと思った。2015/12/10

あさばー

4
立山の実家に帰省した時、ヘリが飛んでいく音がすると、「あー、事故か…」と思っていたのですが、実際にどういう人たちが、どんなことをやっていたのかは全く知らなかったので、その一部を知ることが出来ました。隊員さんたちにだって家族がいるのに、命がけで救助に向う、山に登る人は、そのことをしっかり分かったうえで、ちゃんと準備をするのはもちろん、荒天時には行かないなどの判断をしなきゃダメだと思った。まだ山歩き初心者、雪山に行こうとは全く思いませんが、低山でも油断せず、無理せず、余裕を持って歩こうと思います。2013/07/17

こまったまこ

4
富山県警山岳警備隊の隊員のひとりひとりにスポットを当て、彼らの艱難辛苦を乗り越えた活躍ぶりを紹介する。その他にも彼らをサポートする人、パイロット、医者などの仕事や苦労話を紹介。警備隊の彼らにも家庭があって、それでも遭難者を第一優先に危険な現場に向かっていく彼らには敬意を表します。2010/02/11

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