内容説明
普通の商人だったムハンマドに、突然、神の言葉が降臨したのは四十歳のとき。やがて彼は帰属していた部族から迫害を受け、故郷マッカを離れ聖遷をおこなう。そして多神教徒たちとの凄絶な戦役が幕を開ける―。ブッダやキリストと違い、十一人の妻をもち家庭を愛した男。機略に優れていたが、誰よりも平和を求めた男。十三億人を超える信者をもつ、イスラームの教祖の実像を、日本人ムスリムが雄渾に語る。「女性蔑視」「好戦的」などと誤解が多いイスラームを正しく理解するための一冊。
目次
序章 一神教世界の相克
第1章 「象の年」の生誕
第2章 平凡な民から預言者へ
第3章 四十歳の召命体験
第4章 マッカでの宣教と迫害
第5章 マディーナ聖遷
第6章 聖戦の軌跡
第7章 イスラームの完成
第8章 最期の旅路
著者等紹介
鈴木紘司[スズキヒロシ]
1941年、東京生まれ。エジプトのアズハル大学(イスラーム高等学科)卒業。69年からサウディアラビア日本大使館勤務。74年に住友商事へ入社。97年まで中東各国に駐在して、イスラーム世界をくまなく巡った。その後、ミンダナオ自治州政府の経済顧問、東京元麻布のアラブ・イスラーム学院(イマーム大学分校)の常任顧問を歴任。現在は、NHK衛星放送部報道局のアラビア語同時通訳者、東洋大学法学部非常勤講師、地域文化学会会員。ムスリム名は、ハッジ・アハマド・鈴木(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MORITA
1
「預言者ムハンマドの尊顔を出すのは厳禁」というイスラーム世界の鉄則が、日本人にとってイスラームを縁遠くさせていることは否めない。釈尊やイエス・キリストと同様に預言者の生涯を追うことで漠然としたイスラームに対する怖さは薄まるのではないだろうか。問題はTV・新聞以上にイスラームに関心を持つ日本人が少数であることか・・・2015/05/17
naoto
0
イスラムの本当の敵は"聖典の徒"であるユダヤ教徒やキリスト教徒ではなく、多神教徒ならしい。多神教と言ったら…日本人にならないか?2010/06/12