出版社内容情報
2006年ピュリッツァー賞受賞作品。「原爆の父」と呼ばれた一人の天才物理学者J.ロバート・オッペンハイマーの生涯を丹念に描くことで、人類にとって国家とは、科学とは、平和とは何かを問いかける全米で絶賛された話題作の邦訳。
裕福な家庭に生まれたオッペンハイマーがその才能を開花させていく過程を綴る。彼は学問に打ち込む一方で、心身のバランスを崩し、なかば躁鬱の状態に陥る。ドイツのゲッチンゲン大学に招聘されたころから、症状も改善し、理論物理学者としての前途が大きく開けてくる。やがて、原爆プロジェクトの委員長に任命され、開発にあたるようになる。研究にあたっては、彼自身の中に忸怩たる思いもあったようだ。1945年7月16日早朝、実験が成功した彼は「われわれ全員がこの瞬間“ちくしょう”になってしまった」と呟き研究所をあとにする。
内容説明
一人の天才物理学者の生涯から見えてくるアメリカという国家の光と影。ピュリッツァー賞受賞作品。
目次
彼は新しいアイデアのすべてを、完璧に美しいものとして受け入れた
独房
とても苦しい日々を送っています
勉強は厳しい、しかし有り難いことに楽しい
オッペンハイマーです
オッピー
ニムニム・ボーイズ
一九三六年、わたしの関心は変わり始めた
フランクは、それを切り抜いて申し込んだ
ますます確かに〔ほか〕
著者等紹介
バード,カイ[バード,カイ][Bird,Kai]
1952年生まれ。歴史研究家。スミソニアン・ウッドロー・ウィルソン国際センター研究員。ワシントンD.C.在住。『オッペンハイマー―「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』で、ピュリッツァー賞受賞
シャーウィン,マーティン[シャーウィン,マーティン][Sherwin,Martin J.]
1937年生まれ。タフツ大学(マサチューセッツ州)歴史学教授。広島・長崎への原爆投下に至る米国核政策をテーマにした『破滅への道程』(1975年)で、米歴史本賞受賞。ボストン郊外在住。『オッペンハイマー―「原爆の父」と呼ばれた男の栄光と悲劇』で、ピュリッツァー賞受賞
河邉俊彦[カワナベトシヒコ]
1933年静岡県生まれ。一橋大学社会学部卒。日本アイ・ビー・エム、三菱自動車工業株式会社勤務の後、『日経サイエンス』の記事をはじめ、経済・法律・芸術・文化など多方面の翻訳を手がける。神奈川県川崎市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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