PHP新書
誰も語らなかった中原中也

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B40判/ページ数 317p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569692531
  • NDC分類 911.52
  • Cコード C0295

出版社内容情報

夭折の詩人の新たなる素顔を照らし出す好著。

夭折の詩人中原中也の葉書と肖像写真を新たに発見! 年少の友・高森文夫に打ち明けた心の懊悩とは。生誕百年に際して知られざる素顔に迫る。

中原中也の葉書と肖像写真が発見された。宛先は宮崎県東臼杵郡東郷村、高森文夫。「君がゐなくなって僕は全く淋しいことだ」。中也がこの若き友に語った心の懊悩とは。没後半世紀以上を経て明かされた、詩人の知られざる素顔とは。中原中也が高森文夫に出会ったのは昭和六年雪降る宵であった。以後二人の友情の蜜月時代が始まり、中也はたびたび孤独の胸の内を友に語っている。一方で、宮本武蔵の「独行道」、本居宣長『直毘霊』を探求し、さらには芭蕉の生き様に思いを馳せていた。高森へ独自の取材を試みた著者が、求道者としての中也像を浮き彫りにしている。中也は宮本武蔵が剣一筋で生きたように、詩一筋に真剣勝負で短い生涯を生きたのだ。また、中也と小林秀雄との交友はよく知られているが、小林の記念碑的集大成『本居宣長』にも、若き日の詩人との交流が糸をひいていたように思われてならない、と著者は語る。生誕百年目に際し、新説を大胆に唱えた渾身の評伝。

●第一章 濫觴(らんしょう)! 中原中也 ――喪失、そして黙示の秘技 
●第二章 新説! 中原中也 ――武藝人 宮本武蔵への道 
●第三章 動乱! 中原中也 ――魂の危機を救ったものは…… 
●第四章 発見! 中原中也 ――青春のように悲しかった 
●第五章 哀傷! 中原中也 ――芭蕉、蛙声の意味するもの

内容説明

中原中也の葉書と肖像写真が発見された。宛先は宮崎縣東臼杵郡東郷村、高森文夫。「君がゐなくなつて僕は全く淋しいことだ」。中也がこの若き友に語った心の懊悩とは。没後半世紀以上を経て明かされた詩人の知られざる素顔とは。孤独感を吐露する一方で、宮本武蔵の「独行道」、本居宣長『直毘霊』を探求し、さらには芭蕉の生き様に思いを馳せていた中也。高森文夫からの伝聞を通して、求道者としての詩人の姿を浮き彫りにする。人はいかに生き、いかに死んでゆくか。切実な叫び声が聞こえる熱涙の評伝。

目次

第1章 濫觴!中原中也―喪失、そして黙示の秘技(夢の伝承;最初の喪失 ほか)
第2章 新説!中原中也―武藝人宮本武蔵への道(若山牧水と中原中也;高森文夫と中也の出会い ほか)
第3章 動乱!中原中也―魂の危機を救ったものは…(友情の蜜月時代;昭和七年八月の九州旅行 ほか)
第4章 発見!中原中也―青春のように悲しかった(中也が訪れた山村東郷村;高森文夫の来歴 ほか)
第5章 哀傷!中原中也―芭蕉、蛙声の意味するもの(中也が語っていた芭蕉の生き様;「もののあわれ」を表現した「修羅街輓歌」 ほか)

著者等紹介

福島泰樹[フクシマヤスキ]
1943年、東京下谷に生まれる。早稲田大学文学部卒業。歌謡の復権を求めて「短歌絶叫コンサート」を創出、千数百ステージをこなす。86年「ブルガリア国際作家会議コンクール詩人賞」を受賞。99年、歌集『茫漠山日誌』(洋々社)で第4回若山牧水賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あや

1
面白かった。2017/05/31

mmts

0
中原中也入門書というより中原中也応用編という言葉がしっくりくる本書。読み進めていく上で中原中也の生涯をある程度知ってることが大前提となる。 汚れちまった哀しみに、など有名な詩しか知らない自分にとっては著者の中原中也愛がとても重く感じた。2013/11/28

aaaabbbb

0
殆ど飛ばし読みで、内容はあまりわからない。 詩人、中原中也の一生を様々な資料、解釈を交え、詩をいくつも引用しながら300ページにわたり語る。 中原中也ファン向けなマニアックな内容で、詩に興味がなく、中原中也=山羊の歌、という知識しかない人間には早すぎる本だった。中原中也に興味がわいたらまた読んでみるのもいいだろう。高森文夫と仲が良く、小林秀雄とも関わりが深かったということはわかった。また、中原中也が精神を病んでいくところは、興味深く読めた。2013/05/11

きりん。

0
誰も語らなかったかは不明だが、初めて中原中也論に触れた。中也の軌跡を辿り、中也を捉えようとする姿勢に敬服した。それは自分が今までは単純に好きな詩人として作品のみに接してきたからだ。中也の簡単な略歴と思想では真の意味では中也の詩を堪能出来ないのか。いや、そうでもないだろうが、知っていれば知っているなりの楽しみ方が出来るのだろう。知らなくても楽しめるであろうが、知っていれば歌が味わい深いものになる情報があったと思っている。好きな詩もいくつも乗っていて、それに対する知識はやっぱりあると嬉しい2011/10/06

こづま

0
湯田温泉、中原中也記念館に行き、作者の短歌絶叫コンサートのCDに触れた・・・2010/11/02

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/484728
  • ご注意事項

最近チェックした商品