PHP新書<br> 個人主義とは何か

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PHP新書
個人主義とは何か

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  • サイズ B40判/ページ数 266p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569692333
  • NDC分類 304
  • Cコード C0230

出版社内容情報

21世紀に個人主義はいかに可能かを問い直す。

格差社会が到来し、個人の役割、位置づけが変わりつつある。21世紀の社会において個人主義がいかに可能かを、あらためて問い直す。

名著『ヨーロッパの個人主義』待望の復刊!

▼世界に凛と立つ日本人の「個」とは。

▼*    *    *    *    *    *

▼グローバリゼーションが進む現代もなお、日本人は西洋の価値観に囚われてはいないだろうか。<個人>や<自由>といった周知の概念が、そもそもは「輸入品」である。本書では、日本特有の個と社会のあり方を、諸外国の文化との比較により考察する。いまも強い訴求力をもって読者に迫る、人間の懐疑と決断を真摯にみつめる思想家の原点。1969年の発刊以来、50版近くを重ねた名著がよみがえる。新たに三十ページを加筆した完全版。

▼「私はこの追加章を、2007年4月、71歳の年齢で書いている。前章までの記述は、33歳の頃であった。しかし、前章までに修正の必要を感じないのは、私が生涯いいつづけてきた個と社会との関係における個人の生き方、人間の懐疑と決断がテーマであったからで、文明や社会の観察はあくまでそれを補強する判断材料にとどまっているからである」(本文より)

●第一部 進歩とニヒリズム 
●第二部 個人と社会 
●第三部 自由と秩序 
●第四部 日本人と自我

内容説明

グローバリゼーションが進む現代もなお、日本人は西洋の価値観に囚われているのではないだろうか。われわれが用いる“個人”や“自由”といった周知の概念が、そもそもは「輸入品」である。本書では、日本特有の個と社会のあり方について、諸外国の文化と比較して考察する。いまも強い訴求力をもって読者に迫る、人間の懐疑と決断を真摯にみつめた思想家の原点。一九六九年の発刊以来、五十版近くを重ねた名著『ヨーロッパの個人主義』がよみがえる。復刊にあたり、新たに三十ページを加筆した完全版。

目次

第1部 進歩とニヒリズム(封建道徳ははたして悪か;平等思想ははたして善か;日本人にとって「西洋の没落」とはなにか)
第2部 個人と社会(西洋への新しい姿勢;日本人と西洋人の生き方の接点;自分自身を見つめるための複眼;西洋社会における「個人」の位置;日本社会の慢性的混乱の真因;西欧個人主義とキリスト教)
第3部 自由と秩序(個人意識と近代国家の理念;東アジア文明圏のなかの日本;人は自由という思想に耐えられるか;一九六八年の危惧―旧版あとがき)
第4部 日本人と自我(日本人特有の「個」とは;現代の知性について―あとがきに代えて)

著者等紹介

西尾幹二[ニシオカンジ]
評論家、ドイツ文学者。1935年東京生まれ。東京大学文学部独文科卒業、同大学大学院文学修士、文学博士。ニーチェ、ショーペンハウアーの研究、翻訳を出発点とし、文学、教育、政治、国際問題など幅広いテーマをめぐる旺盛な評論活動を展開。近年、その主要な関心は、明治以後の西洋中心史観を排した新たな日本史像の確立へと向かっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

吉野ヶ里

23
入試問題に採用された数が一番多い評論だそうです。あっそ。結構、面白かった。丁寧な文章ではないし、主張がところどころ散るが、ものの見方は鋭い。日本とヨーロッパを対比しながは、個人であるということはなんらかの秩序の中でしか成立し難いことを主張した本。日本人の「自立」や「自由」の観念は輸入品なので、西洋のそれとは違い対立する社会基盤を持たない。そのため「自由」観念のみが曖昧に存在するのみで、現実的妥当性がない。何に対しての自由なのか、そのためにどのような義務を負うかを選択することが、真の個人主義ではないか。2016/07/24

Arowana

4
確かに名著だと思う。自意識の安定性と潜在能力はいわばトレードオフで、仏像(あるいはネコ)のようにただ横たわって静観している方が安楽だが、我を極めようとすればやがて精神を侵されていく…。確かに西洋の精神文化はグロテスクだと思う。2018/07/26

つな子

3
「個人」はどのように発達したか、日本に輸入された「個人」はなぜ歪んだか。個人が存在するためには国家などの集団が必要である。あまりにヨーロッパに視点が偏り、ヨーロッパという括り自体ナンセンスに映る現代からは過去の書という気すらしたが、読み進めると極めて普遍的な本質を剥き出す書だった。2007年の追記ではアジアに触れ、提出されるサンプルに年月を感じる。主語を念頭に受け取りたい。2015/10/03

かみかみ

3
評価:★★★★ 自由、平等、進歩の絶対視が、日本では教師にタメ口をきく生徒や、運動会で手をつないでゴールといった現象を招いているという。自分の属する小集団の価値観を絶対化し、それを外の世界に主観的に押し付けるゆえに、日本人に「市民意識」が芽生えないという指摘には目から鱗が落ちる思いがした。そして、日本人に信仰心や共同体意識が足りないことも指摘。2014/06/25

Bois

0
再読。2021/06/20

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