出版社内容情報
ぎんいろのじてんしゃは、自分が一番えらいと思っていました。ところが、オルノじいさんと出会い生活するうちに、やさしい心が芽生えます。 自分が一番えらいと思っている銀色の自転車が、貧乏なオルノじいさんに出会うことで、やさしい心が芽生えるまでのお話。銀色の自転車の心の動きを、やさしく温かな筆致で描きます。 銀色の自転車は、自転車屋の大売り出しで、高級品から一気に安売りにされてしまい、かんかんに怒ります。しかも、うす汚いオルノじいさんに買われ、かさ屋として、体に、広げたかさをくくりつけられて町中の目にさらされ、恥ずかしくてなりません。 はらいせに、わざとゆっくり走ったり、ものすごい速さで坂を下ったりといじわるをしますが、それでもオルノじいさんは毎晩「ごくろうさん」と言って、ぼろ布で体をやさしくふいてくれるのでした。 クリスマスイブ、二人は怪しい人影を見つけます。なんと、サンタクロースにばけた泥棒です! さあ、二人は……。 精密画のような美しい絵が魅力の一冊です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
143
他の自転車より輝いている自負のある銀色の自転車。それなのに高いからか売れなくて、値引きされてプライドも傷ついて。傘を修理して売る仕事のおじいさんが買ってくれて、優しく拭いて丁寧に手入れしてくれるのに、感情が収まらない自転車。雨が降ったり止んだりして、聖夜に見つけた煙突の人影。何か怪しくて真っ白な大きな袋を追いかけた。誇り高き心を持ち合わせている者は、時にその感情が空回りしてしまうけど、その反面、誰よりも正義感が強くて、有事では凄く力を発揮するもの。そして何よりもふたりが大切なパートナーになれてよかったね。2025/02/24
たーちゃん
23
最初はツンケンしていた銀色の自転車だけど、おじいさんの優しさに心を開きましたね。おじいさんに似合う素敵な自転車のクリスマスのお話でした。2021/12/23
いよの缶詰め
6
3年の読み聞かせで。最初はオルノじいさんに意地悪していたが、あることを機にかわる。このあとはどうなるのだろう。と思う。2019/12/12
絵具巻
5
文京区立根津図書館で借りました。2015/10/19
ユズ
4
ぎんいろのじてんしゃと、おじいさんが仲良くなっていく物語。どこかで見たことある絵だなと思ったら、魔女の宅急便2のイラストを描かれている方でした。繊細で優しい絵です。2019/12/05