出版社内容情報
わがままで自分勝手な木は、みんなの嫌われ者でした。……エイトと出会って人を愛する喜びを知り、成長していく木の物語。台湾の翻訳絵本。 台湾の国語日報(小学生が読む新聞や雑誌を発行している出版社)が2年に一度、すぐれた童話や絵本に贈る、「牧笛賞」受賞作品。PHP初の翻訳絵本です。 巨人エイトの花園には、一本の木がありました。木はわがままで自分勝手。自分のことしか考えていない木のことを、動物たちは嫌っていました。木はいつもひとりぼっちでした。 ところが、エイトとの出会いを通して、木は変わっていくのです。エイトのやさしい言葉は、寂しさでかわいた木の心を潤しました。そして自分のことしか考えなかった木は、みんなを幸せな気持ちにしてくれる木へと成長しました。木は、心にも美しい花を咲かせたのです。 読む人の心をほのぼのとさせてくれるお話はもちろん、色鮮やかで味のある絵柄も魅力的。幼児から大人まで、たくさんの人に読んでほしい一冊です。読む度に、きっとあたたかい気持ちになれます。
内容説明
きょじんエイトのはなぞのにいっぽんの木がありました。木はわがままでじぶんかって。いつもひとりぼっちでしたが…。「牧笛賞」受賞作品。幼児から大人まで。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
40
1人が好きで、鳥や動物、子どもたちを寄せつけなかった変わった形の木。ある日疲れた巨人がやってきて椅子の形の木を見つけ、優しく話しかけて座らせてもらいました。褒められて嬉しくなった木は、巨人に喜んでもらいたくて木陰を作ります。誰かに認められて喜んでもらえる幸せに気づいた木。絵も夢があふれていて素敵。台湾らしい大らかな絵本でした。2018/11/30
Natsuki
33
独創的でとにかくカラフルな絵は、心を浮き立たせるような色使い。『いすになった木』の変化と共に、カラフルな世界がにぎやかさを増していきます。絵本を通して伝わってくるおおらかさ、これは台湾というお国柄もあるのかもしれません。2025/02/16
kanata
24
いすと言えば、ふつう屋内にあるものを想像するが、これは野原にある天然の木の窪みを利用したいす。ほっと息をつくとき、いすの役割は重要だ。台湾の著者の描く絵は明るく伸びやか。木の側面に沢山の線を描き、木の生命をダイナミックに感じさせる。アジアの絵本はあまり目にする機会がないが、そもそも翻訳が少ない(この本が出版された当時ではあるが)という訳者のことばで納得した。2019/03/24
書の旅人
13
ほんの少しの思いやりが優しさを生み、やがて枝を広げて葉を茂らせ、キレイな花を咲かせて、繋がりが広がってゆくんですね。素敵なお話でした。あとがきにあった、訳者宝迫さんの、子どもたちがもっと沢山の本を読み、それぞれの新しい花を咲かせてほしいという願いに共感しました!私も子どもたちと一緒に、まだまだ花を咲かせたいです。2018/12/04
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
11
台湾で『牧笛賞』を受賞された梁 淑玲(リャン シュウリン)さんの絵本。誰も寄せ付けない本の木が、巨人エイトにより心を開き、やがてみんなのために生きていくことに喜びを感じる。誰かに褒められたりすることは、自分を認めてもらえた喜びをうみますね。2020/03/27