PHP文芸文庫
無功徳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 206p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784569679174
  • NDC分類 188.84
  • Cコード C0195

出版社内容情報

功徳を求めないから、ご利益が嬉しい――著者が折々に綴ったエッセイから、心といのちに新しい風を吹き込む禅の訓えに触れられる好著。

内容説明

「無功徳」とは、文字通り「功徳なし」のこと。梁の武帝が仏法興隆に大きく貢献、「自分にどんな功徳があるか」と禅宗の開祖・達磨大師に訊ね、返ってきた答えだ。「功徳を積んでいる」と意識した瞬間、功徳そのものが台無しになる。禅らしい奇抜なおしえだが、今の日本人にこそ、こんな姿勢が必要なのではないか―著者折々の随想を「無功徳」という禅語でくくり、しなやかで風流な生き方を世に問う。

目次

第1章 人間関係の悩みを解決する(自分を変える 禅の手引き―人間関係の悩みへの処し方;大目にみる―分析や計画はほどほどに、にこにこ仕事するために ほか)
第2章 生きにくい世の中の、瀬戸際に思う(絶対的なモノサシはない 相補的な見方(一)―真理を求める意志と、現状を温かく容認する態度
破綻しかけている教育現場 相補的な見方(二)―医療、福祉、教育の現場に求められる双つの眼差し ほか)
第3章 心という危険物を取りあつかう(安楽の法門―不便さや苦痛とのつきあい方;自殺と向き合う―無常な「いのち」のなりゆきを見つめて ほか)
第4章 人生の豊かな時間をつくる(「金銭的満足」と「心の豊かさ」の方程式―概念を捨て、本当の「いのち」に目覚めるために;お金で買えないもの―商品化できない「幸せ」とは何か ほか)
第5章 無功徳を生きる(風流の起源―自然の脅威や、死や病など非日常を宥める禅の心がけ;裸にもどって出直す―分業の有難さと、独りではないことを実感する法 ほか)

著者等紹介

玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
昭和31年(1956)、福島県三春町生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業後、さまざまな仕事を経験する。その後、京都天龍寺専門道場に掛搭。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。僧職のかたわら執筆活動を行ない、デビュー作『水の舳先』が芥川賞候補作となる。平成13年『中陰の花』で同賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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かいてぃ〜

16
世の中に起こる殆どは「自業他得」で、たまに「自業自得」があるだけ。ということは、自分にとってみれば、起こる幸いは色んな日とのお陰で成り立っているということなのであろう。また、功徳を積んでいるということが無心であれば良いが、そこに承認欲求が入ると功徳そのものを台無しにしてしまうという、武帝と達磨さんとのやり取りがすべてを物語っていると思う。一心に打ち込み、謙虚な心でいるというのは、とてもとても大変なことなのだろうが、少しでも心掛けたいことですね。これからは、自分に起きた良いことは「ラッキー」と考えます。2018/11/19

けんし

1
武帝と達磨の問答につきる2018/08/25

マサトク

0
「無功徳」という禅語には、たしかに「無用の用」を超えるハードコアな認識がある思う。宗教でも功利主義的なものは多くあるが、それをすっとばした認識を迫ってくるのは面白いし有用だと思う。2013/05/23

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