出版社内容情報
膨張を続ける隋帝国。その脅威から日本を守るべく聖徳太子が立ち上がる。歴史の空白を埋め、太子の謎を明らかにした衝撃の古代史小説。
【著者紹介】
作家
内容説明
隣国を次々に従え、世界帝国への道をひた走る隋帝国。その矛先は琉球、そして朝鮮半島へと向けられた。倭国に攻めてくるのも時間の問題…。この危機に敢然と立ち上がったのが厩戸皇子、のちの聖徳太子である。遣隋使となった小野妹子をはじめ、周囲の人びとを巻き込んだ彼の戦いの行く末は!?聖徳太子をめぐる数々の謎を解き明かしながら、東アジアを舞台に壮大なスケールで描かれる古代史小説。
著者等紹介
町井登志夫[マチイトシオ]
1964年生まれ。南山大学教育学部卒業。96年、『電脳のイヴ』で第3回ホワイトハート優秀賞を受賞。2001年、『今池電波聖ゴミマリア』で第2回小松左京賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@一箱古本市5/5
62
時の大国「隋」に対して日出処の天子などと言い切る聖徳太子は普通に考えても並みじゃなと云うところから出発したようなとても爆裂な物語でした。厩戸皇子に従い巻き込まれて行く小野妹子がもう一人の主人公で最後まで隋との争いの矢面に立たされる。可哀想な小野妹子。返書を失くした事もそうかもしれないと納得しそうです。聖徳太子の見方が変わるわ。けどそれも納得出来ちゃう冒険物語でありました。2018/04/04
さら
40
ぶっ飛んだキャラの厩戸皇子(聖徳太子)がどんなことをしてしまうのか、という目で読んでいたのですが意外と真っ当でした。それでも偉人という人物像にはかけ離れていますが(笑)。 もう一人の主役は厩戸皇子に振り回されながらも実直に対処する小野妹子。彼らの琉球や隋、そして高句麗での活躍が描かれています。倭国が他国からの侵略を受けなかったのは彼らのそんな活躍があったからかもしれませんね。 隋の煬帝についての知識がなかったので、高句麗との戦い等興味深く読みました。面白かったです。2017/12/27
kaoru
39
はちゃめちゃな歴史SFと思いきや、当時の勢力図や籠城戦の描写などリアルに書かれています。その上で聖徳太子のキャラが奇天烈だったり、太子伝説を取り込んでいて、無茶苦茶だけど楽しく読めました。2017/01/08
assam2005
26
厩戸皇子の時代を描いた小説は初めてかもしれない。歴史の授業で聞いた厩戸皇子像とは違い、ものすごい狂ったようなキャラクターで驚きました。小野妹子の目線で語られるので、厩戸皇子が始終出ては来ない。どこまでが史実なのだろうか。読みながら想像するのは山岸凉子さんの「日出処の天子」。そして、最初から最後まで小野妹子が不憫でならなかった。タイトルが全てを物語っているというか、侵略のための戦いのシーンが多目。それよりももうちょっと厩戸皇子のキャラクターの謎に迫ってほしかったな。2018/11/09
とも
23
★★★☆あるいみ、トンでもでとことんバカバカしいともいえるエンターテインメントな古代日本史。軽い気持ち愉しく読むのならおすすめ。主人公は実際は小野妹子の生涯だが、表題を聖徳太子としているのは、単に商業的と推察する。しかし、意味のなさそうな爆撃については驚くなかれ きっちりと筋が通っているのが驚き。時代は同じだが歴史上で直接が接点が見つけられない2人を無理やりつなげたところと、通常に伝わるスーパーマンで聖人君子の聖徳太子像と作品で奇態さのギャップがつながるところに、とんでもでありながら愉しめる作品といえる。2020/05/24