出版社内容情報
廃部寸前の落研に入部した新入生の越智健一。先輩たちに振り回され、あげく奇妙な事件が……。連作落語ミステリー。解説:柳家喬太郎。
【著者紹介】
作家
内容説明
大学に入学早々、廃部の危機に瀕したオチケン(落語研究会)に無理やり入部させられた越智健一。そこで待ち受けていたのは、幽霊が出るという噂の古い部室と、風変わりな二人の先輩だった。落語なんてまったく知らない上、先輩たちに振りまわされ、必修科目の出席もままならない。あげくはサークル間の陰謀に巻き込まれて…。ユーモアと落語のウンチク満載の中篇二篇を収録した連作ミステリー。
著者等紹介
大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。97年「三人目の幽霊」が第4回創元推理短編賞で佳作となり、98年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょこまーぶる
83
面白くてページを捲るペースが速かった一冊でした。2人しかいない大学の落研に越智健一という名前だけで入部することになった新入生が謎多き先輩達とともに大学内の陰謀を解決していくという話なんですが、何だかこのシチュエーションだけでも面白そうだなぁ~って思いませんか?そして、僕は主人公の健一君より2人の先輩のキャラクターに魅力を感じてしまい、登場するだけでワクワクしましたね。恐らく、3人とも大学は4年では卒業できないタイプだよなぁ~って勝手にキャラ付けまでしていました。2話だけなので、ちょっと物足りなさもあり。2017/07/01
五右衛門
60
読了。好きな作家さんです。落語ネタのミステリーかと思いきや大学生活での日常ミステリーでした。新入部員が事件に関連しながら、先輩の力を借りながら解決していくミステリーでした❗しかしながら人物の設定が割りと濃いのでシリーズ2作目も期待してます🎵 2018/08/26
takaC
60
いずれそのうちオチケン君の落語も見ることができるのだろうか。今回は学同院を学習院と置き換えて読んでみた。ほとんど何も知らないけど。2013/10/31
眠たい治療家
60
大学に入学して、半ば強引にオチケン(落語研究会)に入部させられた越智健一。部員は先輩二人のみ。廃部寸前のオチケンで新入部員の越智健一は、大学のいろいろな面倒事に巻き込まれていく。『白戸修~』のような大倉氏得意の巻き込まれ型探偵。本作は学園ミステリだが、落語に造詣が深い著者ならではの落語を題材にした事件やトリック、オチまで絡めて、とても面白く読めた。キャラクターも謎多きオチケンの先輩や個性的な他のサークル部員達と印象的でイメージしやすかった。落語の知識があると更に楽しさ倍増。落語好きの私的にはかなりの秀作。2012/03/15
七色一味
55
読破。きっかけは忘れましたが、読みたい本リストにあって、ちょうど図書館にも本があったから…。あ、ミステリーなんですね。こう、なんでもかんでもミステリーにするという風潮ってどうなんでしょうか…。はっきり断れない主人公も、その主人公につけ入る先輩もどうも好きになれません。ミステリー自体も強引なこじつけが目立ちすぎ。ミステリー要素なくして、落語と同じく人情話にした方がいい感じ──とか言いながら、なぜか続編も借りているという…。2013/04/17