PHP文庫
近代文明はなぜ限界なのか―人類を救う哲学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 235p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784569677415
  • NDC分類 304
  • Cコード C0130

出版社内容情報

経済成長こそ善なのか? 国益こそ正義なのか? 欲望や憎しみを抑え、愛や慈悲、利他の心をもって日本と世界を救う道を模索した哲学談義。

【著者紹介】
京セラ名誉会長

内容説明

未曾有の大震災、原発事故から、人類がつくりあげてきた近代文明の限界が見えてきた。いや、そのずっと前から、未来への危機感は叫ばれていたはずだ。民族紛争、資源枯渇、世界金融恐慌…。もはや経済成長だけをめざす時代は終わった。今こそ、「進歩」から「循環」へ、「憎しみ」から「慈悲」へ、人々の意識を転換するべきときではないか。「新しい文明の創造」を探求した警世の対論。

目次

第1章 文明の崩壊が始まった
第2章 アメリカ文明は正しいのか
第3章 「進歩」から「循環」の思想へ
第4章 世界連邦政府を樹立せよ
第5章 「利他の心」を教える教育を
第6章 神様が人類に与えた力
第7章 「無私の情熱」が成功を導く

著者等紹介

稲盛和夫[イナモリカズオ]
1932年、鹿児島生まれ。鹿児島大学工学部卒業。59年、京都セラミック株式会社(現京セラ)を設立。社長、会長を経て、97年より名誉会長を務める。また84年に第二電電(現KDDI)を設立、会長に就任。2001年より最高顧問。2010年には日本航空の会長に就任し、再建に取り組む。一方、84年に稲盛財団を設立すると同時に「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった人々を顕彰している。他に、若手経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長として、経営者の育成に心血を注ぐ

梅原猛[ウメハラタケシ]
1925年、宮城県仙台市に生まれ、愛知県知多郡で育つ。哲学者。京都大学文学部哲学科卒。立命館大学教授、京都市立芸術大学教授、同大学学長を経て、87年から95年まで国際日本文化研究センター初代所長を務める。現在、同センター顧問。72年『隠された十字架法隆寺論』(新潮社)で第26回毎日出版文化賞受賞、74年『水底の歌柿本人麿論』(上下巻、新潮社)で第1回大佛次郎賞受賞。99年、文化勲章受章。「梅原考古学」「梅原日本学」と呼ばれる多くの著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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rakim

5
少なくとも40代以上の人なら、生きてきた時間の中で急速に変化していく便利さ(それを文明というかどうかはともかく・・携帯電話やPCなどの普及でコミュニケーションの在り方まで・・)、突然ふりかかる天災、未曽有の人災、等に一度は「空恐ろしい」感覚って持ったことがあるのではないでしょうか。世界を見渡したところで見える異常さは実は足元で忘れられている、善の定義、思想。色々なキーワードを提示してもらったような気がします。多少説教くさい部分は流し読み。。2013/08/19

Lila Eule

4
デカルトは理性が支配と言うが、理性といいながら裏側に欲望がある。近代文明の本質は欲望の無限解放と。自然破壊と同時に人間破壊が起きた。国益至上は誤りと。利他の心で人類全体の益を考えねば。親鸞は自利利他と。分かち合わねば生きられぬ。キリスト教徒は算盤とバイブルをもっていたのにいつしかバイブルを忘れていると。恵みは万人のものとできないものか。2014/10/22

kousei

3
知の巨人哲学者と経済界重鎮対談集、平易な文章で読み易い。前半やっぱり理想論だなと感じ中盤で世界連邦政府樹立の話しと国家がなくなれば文明は継続するのかと感銘、でも後半とあとがきで鼻白む。自分たちは成功者だと言ってしまっている。2017/03/24

禅・しんじ

2
人間を滅ぼすのは傲慢である。己を愛するは、よからぬことの第一なり。EUに対するAU(アジア共同体)を唱える哲学者と、auを創設した稲盛氏の対談本は、心の管理や哲学の本として楽しめる。欲望を抑え込むには、芸術をもっと活用する、というメッセージは、自分の迷いを溶かす作用があった。「われ思う、ゆえにわれあり」(デカルト)に始まる現代社会の進歩主義や金融工学や文明人にあらざれば人にあらずという風潮を批判する。利他になれない小生ですが、無私になり天の啓示を感知したいと思えたので、これは十分価値がある本だと思った。2013/11/15

廣瀬隆夫

2
常に前進していなければ満足しない進歩病が人間を欲望の奴隷にしているという主張には同感。走り続けていたらいつかは倒れる。立ち止まって考える時間が必要。2013/06/06

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