出版社内容情報
神の作り出した都市に秘められた謎に迫ろうとする者たち。「建築探偵」で人気の著者が宗教と人間の相克を描く連作幻想ミステリー。
【著者紹介】
作家
内容説明
魅惑的な建築物と謎に彩られた“都”を舞台に紡ぐ連作短編集。都の秘密に取り憑かれた神学生の葛藤と恐怖を描く「神の墓」、祖父が遺した複雑怪奇な建物の図面に魅せられた少年が、運命的な出会いへと導かれる「偸盗」、人好きのする腸詰屋の女将の悪夢に隠された秘密が恐ろしい「こともなし」ほか、十二話を収録。すべての物語がつながったとき、明らかになる“都”の驚くべき秘密とは…。
著者等紹介
篠田真由美[シノダマユミ]
1953年、東京都生まれ。1991年に、本格ミステリーの登竜門である鮎川哲也賞で『琥珀の城の殺人』が最終候補作となり、作家としてデビューする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コットン
72
蒼さんからのおすすめ本。幻想文学に連載されていたようで建築探偵シリーズとは若干異なります。ルネサンス後期のような神の存在意義の不確かさやそれにかかわる美術、建築(建築自体の面白さ以外に隠し部屋や通路など)などをファンタジー仕立てにしていて面白かったです。2015/03/21
gonta19
55
2011/9/18 Amazonより届く。2015/1/23〜1/30とある架空の街で起きる出来事を描く連作短編集。ファンタジーの体裁は取っているが、描かれているのは、宗教の本質を問う重い内容。龍緋比古シリーズにも通じる篠田さんの宗教的側面に触れられる一冊。2015/01/30
ntahima
23
【市図書12】何故か既視感を覚えるタイトル。先に後書きを読むと季刊『幻想文学』に連載されていたらしい。この雑誌は私も長く愛読していたが、連載小説は文庫本になってから読む主義なので目を通していなかった。結構揃っていたこの雑誌を渡韓前に売り払ってしまったことを今になって少し後悔する。基督教を思わず架空の宗教を巡る円環式の連作集。神座す都市のモデルは中世エルサレムか。美文調の語りと神議論に乗れるかが本作を楽しめるかの分水嶺!起・結のみ終戦直後の日本が舞台。『うつし世は夢、夜の夢こそまこと』(江戸川乱歩)の物語。2015/09/07
藤月はな(灯れ松明の火)
22
名大学園祭の古本セールで手に入れました。準備してくれた名大、ありがとうございます!キリスト教で統一化される前のローマ帝国時代のような「神」が坐す「都」を舞台に時代を超えて繋がる人々の祈りと病みと傲慢さと希望の物語。今まで生きてきてカトリック系の大学で宗教学論や人間の尊厳論を学ぶ者としてはぶち当たった「神」や世界の不完全さに対する疑問や矛盾のある聖職者や殉教者に対する不信感を炙り出しています。世界を構築するのは人間。世界の構築によって誰でも神となり、その世界は残らないが後世へ受け継がれ、蓄積されるのだろう。2012/06/12
マサキ@灯れ松明の火
10
《神》のおわす《都》‥そこは、夢?現?幻?1つ1つの出来事が、1本の糸で繋がる時‥全てが終わり…新たな《神》の《都》が現れる‥‥2011/12/14
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