内容説明
仏教的な死生観を、いろは四十七文字に凝縮して表現した「いろは歌」。それを頭文字とする諺を並べ、長く日本人に愛された「いろはカルタ」には、禅的な生き方の極意がちりばめられている。それぞれの諺に託し、軽妙ながら滋味深い筆致で、禅の思想や心が軽くなるヒントをやさしく綴ったエッセイ集。
目次
1 「色は匂へど散りぬるを」の章(犬も歩けば棒に当たる;論より証拠 ほか)
2 「我が世誰ぞ常ならむ」の章(われ鍋にとじ蓋;かったいのかさ恨み ほか)
3 「有為の奥山今日越えて」の章(嘘から出た誠;芋の煮えたもご存じない ほか)
4 「浅き夢見じ酔ひもせず」の章(頭隠して尻隠さず;三べんまわって煙草にしょ ほか)
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年、福島県三春町生まれ。慶應義塾大学文学部中国文学科卒業。様々な職業を経験した後、83年、京都・天龍寺専門道場に入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。2001年、『中陰の花』で第125回芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マサトク
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文庫でも読んでしまった。軽くて良い。2017/02/20
Martini
0
江戸「いろはカルタ」の諺を基に、禅寺の坊さんである作者ならではの解釈をはじめ、諺同士を相対させたり、ツナゲてみたり…途中、説教じみてて読むのをやめてた時期もありましたが…筆者が、アメリカの「独立時からの先住民から搾取し続けた国民性」「イラク戦争の不当性」「禁煙運動や行き過ぎた健康嗜好も金儲け主義的な欺瞞では?」との指摘、話の展開には唸らされました。2013/08/29
彩美心
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なかなか勉強になった。相反する趣旨の諺の中に拾う神あって安心した。特に好感がもてたのは「頭隠して尻隠さず」の説明だ。そのくらい迂闊なほうが愛敬があっていいとしている。いつもそんな体たらくの私にはうれしい言葉であった。2011/10/18
ちゅるふ
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外国向けに「禅のABC」とかあったらいいかも。2011/05/26
issy
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いろは歌留多48枚について、その成立の背景、意味の変遷から、仏教や禅の観点での受け止め方などをポップにカジュアルに書き綴ったエッセイ集的な一冊。この48枚に総体としての思想や主義などはなく「慈悲深い結果論の集合である」との評には思わず膝を打つ。2020/05/11