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九州戦国志

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  • サイズ 文庫判/ページ数 381p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784569671420
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

戦国時代、九州の大地でしのぎを削った男達!

大友宗麟、立花宗茂、高橋紹運、加藤清正……。戦国の九州を舞台に乱世を生きた武将たちの意地、野望、気骨を描いた傑作短篇六篇を収録。

戦国乱世の動乱は、京の都から遠く離れた九州でも激しく渦巻いていた!

▼本書は、九州の大地を舞台に、理想、夢、野望を追い求めて戦った武将のドラマを集めたアンソロジーである。

▼豊臣秀吉が「豪勇の士として西国で無双」と評価した武将の魅力を浮かび上がらせる海音寺潮五郎の「立花宗茂」。

▼やり手の南蛮商人の目を通して「大友二階崩れ」を描いた杉本苑子の「ピント日本見聞記」。

▼「武士の鑑」と讃えられた名将・高橋紹運を意外な視点からとらえた白石一郎の「さいごの一人」。

▼竜造寺家が大敗した沖田畷の合戦で、悲愴な戦いを繰り広げた武士の姿を描いた滝口康彦の「与四郎涙雨」。

▼時代の波に翻弄され、誇りを保ちながら滅びていく名門・宇都宮家に光をあてた高橋直樹の「城井一族の殉節」。

▼関ヶ原合戦の折に、黒田如水と組んで天下を狙う加藤清正の野望を描いた南原幹雄の「虎之助一代」。

▼収録した六編はいずれも読み応え十分。戦国ファン待望の一冊である。

●ピント日本見聞録 ――杉本苑子 
●与四郎涙雨 ――滝口康彦 
●さいごの一人 ――白石一郎 
●城井一族の殉節 ――高橋直樹 
●虎之助一代 ――南原幹雄 
●立花宗茂 ――海音寺潮五郎 
●解説 細谷正充 

内容説明

京の都から遠く離れた九州でも戦国の動乱が激しく渦巻いていた!本書は、九州を舞台に活躍した戦国武将のドラマを集めた一冊である。豊臣秀吉が「豪勇の士」と讃えた武将の魅力に迫る海音寺潮五郎の「立花宗茂」、南蛮商人の目を通して「大友二階崩れ」を描いた杉本苑子の「ピント日本見聞記」、名将の誉れが高い高橋紹運を意外な面からとらえた白石一郎の「さいごの一人」他三篇を収録。文庫オリジナル。

著者等紹介

海音寺潮五郎[カイオンジチョウゴロウ]
1901~1977。鹿児島県に生まれる。国学院大学卒業後、中学校の教師となる。昭和4年に短篇「うたかた草紙」、7年には長篇『風雲』が、「サンデー毎日」の投稿小説に入選。昭和11年に「天正女合戦」「武道伝来記」で、第三回直木賞を受賞した。菊池寛賞、文化功労者

白石一郎[シライシイチロウ]
1931~2004。朝鮮の釜山に生まれる。戦後、福岡に引き揚げた。早稲田大学政経学部卒業後、福岡に戻り、小説の投稿を始める。昭和32年「雑兵」で、第十回講談倶楽部賞を受賞した。昭和62年『海狼伝』で、第九十七回直木賞を受賞。海を舞台にした作品が多く、海洋時代小説を日本に定着させた

杉本苑子[スギモトソノコ]
1925~。東京に生まれる。文化学院卒。昭和26年、「サンデー毎日」の百万円懸賞小説に「申楽新記」が佳作入選。以後、吉川英治に師事して、約十年を研鑽に費やす。昭和37年に出版した『孤愁の岸』で、第四十八回直木賞を受賞。古代から近代までを網羅した作品群は、杉本史観に貫かれた、もうひとつの日本史である

高橋直樹[タカハシナオキ]
1960~。東京に生まれる。団体職員などを経て、平成4年、「尼子秘話」で第七十二回オール讀物新人賞を受賞。戦国や鎌倉期の武士を活写する一方で、時代小説らしからぬ過激な作風の「餓鬼草子」シリーズ等を発表。多彩な才能を見せている。平成9年に『鎌倉撹乱』で、第五回中山義秀文学賞を受賞した

滝口康彦[タキグチヤスヒコ]
1924~2004。長崎県に生まれる。幾つかの職を経て、昭和31年、NHKの契約ライターとなった。翌32年、オール讀物新人杯に投じた「高柳父子」で作家デビュー。以後、九州の佐賀県に腰を据え、硬質な筆致で武士の世界を描き続けた

南原幹雄[ナンバラミキオ]
1938~。東京に生まれる。父親は時代作家の南條三郎。早稲田大学政経学部卒業後、日活に入社。企画部で活躍する。昭和48年、「女絵地獄」で第二十一回小説現代新人賞を受賞して、作家活動に入る昭和五十六年には、伝奇小説に経済という視点を取り入れた「闇と影の百年戦争」で第二回吉川英治文学新人賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

BIN

7
九州の戦国武将の短編小説集。高橋紹運の岩屋城籠城戦は全員玉砕という話ですが、全員が全員潔く死んだわけではないのではという発想から出た話でしょう。居てもおかしくはないけど、美しくないので私は好きにはなれない。大友二階崩れは外国人ピント視点というのが面白い。西軍びいきの私は清正はあまり好きじゃないけど、本作で興味を持ちました。やはり立花宗茂は一番好きな武将です。2017/05/03

穀雨

5
九州の戦国時代というニッチなテーマの短編集ということで、興味を持ち読んでみた。どれも小さいながら読みごたえのある作品で面白かったが、特に「城井一族の殉節」が印象に残った。父祖伝来の地を愛するあまり、結果としてお家をつぶしてしまった宇都宮父子の心情が、痛いほどよくわかった。ただ、島津氏が主人公の小説がひとつもなかったのは残念だった。2019/05/05

ゆうへい

4
九州地方の戦国時代の短編集です。スケールは小さいですが、どの話もまとまっていて、読み応えがありました。2020/10/16

とろろ

4
戦国時代の九州を舞台にした時代小説アンソロジー。南蛮商人視点の二階崩れの変、雑兵の岩屋城玉砕など、新鮮な気持ちで読めました。去年の大河でも珍しく取り上げられていた城井一族も。個人的にはこれが一番。冒頭ののどかな描写が、より一層悲しく感じる。最後は海音寺潮五郎「立花宗茂」がきりりと引き締めていますね。地元の地名が出てくると何か妙に嬉しいものです。四国戦国志はないのかな? 難しそうだけど・・・2015/03/30

Ryuji

4
★★★★☆九州を舞台にした戦国武将の短編が6編。どれもそれなりに楽しめたが、個人的には豊前・宇都宮一族を描いた「城井氏一族の殉節」と関ヶ原前後の加藤清正を描いた「虎之助一代」が良かった。どちらもキーとなるのは黒田如水であるが、異なる描かれ方が一冊の本で読めるのがとても面白い。2013/11/26

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