内容説明
戦国屈指の名軍師・黒田官兵衛の嫡男に生まれた黒田長政。幼少は信長のもとで人質となり不遇の時代を過ごす。その後、天下人の秀吉も畏怖した巨大な父の影を乗り越え、知勇兼備の武将として頭角を現していく。関ヶ原では東軍に味方し、西軍の切崩し工作など縦横無尽の活躍を見せて勝利に導いた。家康から「一番の功労者」と讃えられ、筑前52万石の大大名となった武将を描く。
著者等紹介
近衛龍春[コノエタツハル]
1964年、埼玉県生まれ。大学卒業後、暫しオートバイレースに没頭。その後、通信会社勤務を経て、フリーライターに転職。『時空の覇王』(ベストセラーズ)で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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maito/まいと
6
名軍師と言われた父・官兵衛に隠れてはいるものの、実は歴史上数々の大きな役割を担ってきた黒田長政。現在の福岡・博多の発展に貢献した彼の生涯を描いた歴史小説は、幼少の命の危機から、武功者としての日々、後藤又兵衛との確執、領土内の反対勢力のだまし討ちなど、非常に大きな出来事の連続。「黒田軍の先方騎馬軍団に必ず長政あり」と言われるほどの猪突進するかと思えば、家康側で大きな謀略を仕掛ける知謀力を見せるなど、様々な顔を見せる名将。父を意識しながらも、自分の足で立っていく様に魅せられること請け合いです。2009/01/16
はみ
1
父と息子の問答を軸に、黒田長政の人質時代~関ヶ原までが無難にまとめられている。如水と長政が直接に関係しない場面については、説明調で手短に流されており、ここが読みどころ、というような血沸き肉躍る箇所もなく、さりとて天才の父に対する息子の葛藤がメインかというと、そこは中途半端に掘り起こしたという感じ。歴史小説は、手堅く無難にまとめられるとつまらないなぁ、というのが最終的な感想ですが、それともまさか、長政が主人公だから、とか……?2014/07/25