出版社内容情報
則天武后から玄宗皇帝までの唐朝の政争を描く。
則天武后から始まった女性による唐王朝の陰の支配。武后の孫・玄宗皇帝は、その打倒を掲げたが……。唐王朝の暗部にせまる長編歴史小説。
唐の第二代皇帝・太宗に見初められ、下級女官として後宮に入内した武照。本来ならば太宗崩御と共に出家を強いられ、これほどの名を後世に残すことはなかっただろう。
▼しかし歴史のいたずらか、第三代皇帝・高宗が父帝の元妾・武照の美貌に眼をとめた。再び後宮に輿入れし、その頭角を現す武照。他の寵姫や反対派を粛清につぐ粛清で蹴落とし、中国史上唯一の女帝・則天武后として玉座に昇り詰めると、中国はまれにみる長い「女禍(にょか)」の時代に入る。
▼「女禍」――女性権力者による陰の政治支配と血腥い皇位・政権争いに終止符を打つべく、満を持して起ち上がった武后の孫・隆基。隆基ら有志たちによるクーデター、長きにわたる畸形王朝の終焉……。
▼晴れて第六代皇帝・玄宗となった隆基は善政を敷き、唐の黄金期を築き上げるが……。「女禍」の呪縛は真に断ち切られたのか?
▼初唐期から盛唐期までの暗部に切り込む力作歴史小説。
▼『青龍の門』を改題。
●第一章 烈女武后(れつじょぶこう)
●第二章 走馬燈(そうまとう)
●第三章 郡王(ぐんおう)と郡主(ぐんしゅ)
●第四章 永泰公主(えいたいこうしゅ)
●第五章 女帝(じょてい)と名臣(めいしん)
●第六章 武后終焉(ぶこうしゅうえん)
●第七章 牝鶏告朝国滅(ひんけいこくちょうこくめつ)
●第八章 韋禍(いか)
●第九章 中宗謀殺(ちゅうそうぼうさつ)
●第十章 閨園落花(けいえんらっか)
●第十一章 太平公主(たいへいこうしゅ)
●第十二章 開元新政(かいげんしんせい)
●第十三章 驪山宮(りざんきゅう)
内容説明
二代にわたる唐の皇帝から寵愛を受けた武照。やがて武照が中国史上唯一の女帝・則天武后として朝堂に君臨すると、中国は稀にみる長い「女禍」の時代に入る。「女禍」―女性権力者による陰の政治支配と血腥い皇位・政権争いに終止符を打つべく、後に玄宗皇帝となる、武后の孫・隆基が起ち上がるが…。玄宗の運命はいかに?初唐期から盛唐期までの暗部に切り込む秀作。
著者等紹介
岡本好古[オカモトヨシフル]
昭和6年、京都生まれ。ペンクラブ、文芸家協会会員。昭和46年、『空母プロメテウス』で、第17回小説現代新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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