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PHP文庫
特攻―若者たちへの鎮魂歌(レクイエム)

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  • サイズ 文庫判/ページ数 371p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569666570
  • NDC分類 210.75
  • Cコード C0121

出版社内容情報

祖国に殉じた特攻隊員たちの涙と感動のドラマ。

祖国に殉じたその行動は、どこまでも勇ましく、限りなく哀しい。特攻隊員たちを身近で見てきた著者が、全精魂をこめて綴った深き思い。

「おばさん、おれも明日出撃するよ。おれ、知覧にきてよかった。おばさんや皆に逢えて、いい思い出ができてよかった。ありがとう――」。

▼太平洋戦争末期、自らの命を引き換えとして、敵艦に“体当たり突撃”をして散っていった若者たちがいた。愛する人びとや故郷、祖国を守ろうとした、彼らのひたむきな眼差しや清冽な表情は、どこまでも勇ましく、限りなく哀しい。

▼本書は、自身も飛行兵としての体験をもち、特攻作戦の現場を身近で見てきた著者が、緻密な取材をもとに特攻隊員たちへの深き思いを綴った鎮魂の記録である。

▼「野辺機 ただいまから体当たり」「B29に馬乗りした少年飛行兵」「燃ゆる大空」「征矢と桜花一輪」「おかあちゃん さようなら」「百句の墓標」「蛍花咲くころ」など、特攻隊員たちの純粋な至情と行動は、豊かな時代を生きる現代日本人に数多くの事を語りかけてくるに違いない。

▼『特攻―還らざる若者たちへの鎮魂歌』を改題。

●母に捧げる惜別(わかれ)の歌 ――まえがきにかえて 
●哭いて飛ぶ ――序の章 
●第一話 くちなしの花 
●第二話 さらば 愛しき人よ 
●第三話 五月花(メイフラワー)が咲いて 
●第四話 燃ゆる大空 
●第五話 学徒出陣 
●第六話 われら明日を恃(たの)みき 
●第七話 わが若人ら遂に還らず 
●第八話 征矢と桜花一輪 
●第九話 神雷爆撃隊の突撃 
●第十話 お母ちゃん さようなら 
●第十一話 夫婦特攻 
●第十二話 野辺機 ただいまから体当たり 
●第十三話 帰らざる索敵機 
●第十四話 櫻隊散る 
●第十五話 金森伍長の最期 
●第十六話 硫黄島を死守せよ 
●第十七話 赤とんぼ出撃 
●第十八話 B29に馬乗りした少年飛行兵 
●第十九話 百句の墓標 
●第二十話 道人(よりと)兄ちゃんの行方 
●第二十一章 われ特攻を拒絶せり 
●第二十二章 義烈空挺隊の夜襲 
●第二十三章 人間爆弾“桜花”飛ぶ 
●第二十四章 特攻先駆け 有馬将軍の突入 
●第二十五章 人間魚雷 菊水隊の若者たち 
●第二十六章 遠い日の軍歌 
●第二十七章 海底(うみ)から還ってきた特攻仕官 
●第二十八章 螢花咲くころ 
●第二十九章 老母の祈り 
●特攻遺族たちの戦後 ――あとがきの章 

内容説明

「おばさん、俺も明日出撃するよ。知覧にきてよかった。おばさんや皆に逢えて、いい思い出ができてよかった。ありがとう―」。太平洋戦争末期、自分の命を引き換えとして敵艦に突撃し、散華していった若者たちがいた。本書は、自らも飛行兵としての体験をもつ著者が、「燃ゆる大空」「百句の墓標」など、特攻隊員への深き思いを綴った鎮魂の記録である。

目次

くちなしの花
さらば愛しき人よ
五月花が咲いて
燃ゆる大空
学徒出陣
われら明日を恃みき
わが若人ら遂に環らず
征矢と桜花一輪
神雷爆戦隊の突撃
お母ちゃんさようなら〔ほか〕

著者等紹介

神坂次郎[コウサカジロウ]
昭和2(1927)年、和歌山県生まれ。戦後は劇団俳優座演出部等を経て転々、傍ら歴史小説を書き始め、昭和33年、『鬼打ち猿丸』で大衆文学賞受賞。昭和59年出版の『元禄御畳奉行の日記―尾張藩士の見た浮世』は60万部のベストセラー。他にベストセラー『縛られた巨人 南方熊楠の生涯』、第2回日本文芸大賞受賞『黒潮の岸辺』など著書100余冊。平成4年、皇太子殿下熊野行啓に際し自著『熊野御幸』を2時間余にわたって御進講。平成14年4月には第12回南方熊楠賞を受賞。平成15年6月、第38回長谷川伸賞を受賞。日本文芸家協会、日本ペンクラブ、三田文学会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

133
神坂さんが特攻隊で帰らぬ人となった若者たちの遺書などをもとにその人生をいくつかの話にしてくれています。このようなことが起きるというのは戦争という異常な状態であったということもあるのでしょうが、現在でもイスラム国のことなどを考えると昔はるかな時代ということではないと思います。時たまこのような本を読むことも自分にとっては必要だと考えています。2016/03/17

ひらけん

8
悲しみに満ちた特攻隊の遺書の中で学徒兵が遺した明るさを漂わせた川柳を書いた百句の墓標が印象に残った。特に「童貞のままで行ったか損な奴」これを読んで思わず笑ってしまった。女を知らずに死ぬとは勿体無いって意味やろうけど、明日死ぬかもしれない絶望感の中で人間らしいユーモアを忘れてないやからな。そして、最後の一文「アメリカと戦う奴がジャズを聴き、ジャズ恋し早く平和がくればいい」これを読むと今の平和は空から突然落ちてきたものでも泉のように湧き出た訳でもなく、何百万もの尊い犠牲の上に今の平和があると改めて感じました。2016/02/21

かめあい

2
私の柩の前に唱えられるのは、私の青春の挽歌ではなく、私の青春への頌歌(祝福歌)であってほしい という特攻隊員の手紙に今迄の悲劇一辺倒な認識を改めなきゃと思った。蛍となった宮川三郎軍曹のお母さんが植える蛍袋のくだりは涙が流れた。義烈空挺隊について詳しく調べよう。回天神社にいこう。2017/10/28

wasabi

2
敗戦の哀しさを兵士への誹謗というかたちでぶつけた国民が許せない気持がよく分かる。かつて米国など他国でも同様であった。ただ、戦った者や死した者が無念ならば、彼等を支えた末に悲惨な結末を迎え、絶望の中で生きてゆかねばならない残った者の心情もまた理解しなければならない。戦争が遠い過去の歴史となり、人類が未熟だったころの有り得ない事象となるためには、今こそが正念場なのだろう。2006/11/08

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