出版社内容情報
「傀儡の天皇」といわれた男の真の姿に迫る。
即位後の東国行幸にはじまり、各地を転々とした聖武天皇。「傀儡の天皇」といわれた男が、胸の内に秘めた野望を著者独自の視点で追う。
聖武天皇といえば、藤原不比等の孫であり、藤原氏に操られた「傀儡天皇」のイメージが強い。しかし、本書の著者の視点は異なる。聖武天皇は、歴史の敗者や闇の世界の人々(鬼)を取り込むことで、権力と対等に向かい合おうとした「鬼の帝」ではないかと推測する。また、日本の歴史の基層を築いたのは、藤原氏ではなく、聖武天皇その人にほかならないともいうのである。
▼その一つの例が、天平12年10月26日、わずか400の兵をともに、忽然と平城京から姿を消し、伊賀、伊勢、美濃、不破、近江をめぐり、恭仁京、紫香楽京、難波京とわたり、平城京に遷都したのは天平17年5月。この足かけ5年にわたる「迷走」である。乱に対する恐怖からの逃走と捉える説もあるが、ある時から藤原氏による聖武天皇のコントロールが効かなくなっていることを考えると、この「迷走」の真意さえ謎なのである。
▼気鋭の作家が聖武天皇の正体に迫る、古代史ファン垂涎の一冊。
●第1章 二つの顔を持った帝
●第2章 藤原の野望と蹉跌
●第3章 聖武天皇の実像
●第4章 鉄の女 光明皇后の本心
●第5章 鬼の帝 聖武天皇
内容説明
天平12年10月26日。聖武天皇は、兵わずか400とともに忽然と平城京から姿を消した。その後、聖武天皇は伊賀、伊勢、美濃、不破、近江をめぐり、恭仁京、紫香楽京、難波京と移り、平城京に遷都したのは天平17年の5月。足かけ5年にわたる「迷走」。果たしてその目的とは何であったのか。「藤原の傀儡」といわれた聖武天皇。忘れ去られた英傑の正体に迫る野心作。
目次
第1章 二つの顔を持った帝
第2章 藤原の野望と蹉跌
第3章 聖武天皇の実像
第4章 鉄の女 光明皇后の本心
第5章 鬼の帝 聖武天皇
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
1959年、千葉県柏市生まれ。歴史作家。仏教美術に魅せられて足繁く奈良に通い、日本古代史を研究。古代をテーマにした書籍を意欲的に執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。