PHP文庫<br> 最後の御大将 平重衡―義経が最も恐れた男

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PHP文庫
最後の御大将 平重衡―義経が最も恐れた男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 486p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569663203
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

平家きっての名将の数奇な生涯を描いた力作!

平家一門のなかで、知勇兼備の名将として源義経さえも恐れたという平重衡。運命の波に翻弄されながら、わが生きざまを貫いた男の生涯!

強大な権勢をふるいながら、やがて急坂を転落するように滅んでいく平家一門。平清盛というカリスマの死がそれに拍車をかけたが、清盛以下が必ずしも無能な「凡将」ぞろいだったわけではない。知勇兼備の逸材も確かにいたのであり、その一人が本作の主人公、清盛五男・平重衡である。

▼平家全盛の時代には、父・清盛の独裁的な政治手法に疑問をいだき、清盛没後は棟梁となった兄・宗盛の器量の狭さに悩みながら、自らはつねに最前線で戦い続けたのが重衡であった。挙兵した以仁王・源頼政を宇治で破ったのは、わずか25歳のとき。その4年後に一ノ谷の合戦で源義経に敗れて捕虜になるまで、滅びゆく一門の運命の奔流のなかで、堂々たる武者ぶりを示したのである。

▼『平家物語』における重衡は、源氏に捕らわれてから斬首されるまでの仏法に帰依する姿が印象的だが、本作では正義感の強い、青年武将らしいさわやかな人間像が提示されている。

▼『平家慕情』を改題。

●乱れる世に 
●姉の入内 
●兄と妹の死 
●叛乱勃発 
●落日に立つ 

内容説明

強大な権勢をふるいながら、やがて急坂を転落するように滅んでいく平家一門。その運命の奔流のなかで、戦場で源氏を苦しめ、鮮やかな武者ぶりを示す青年武将があった。“最後の御大将”と呼ばれた清盛五男・平重衡である。父清盛の独裁政治に疑問を抱き、その没後は棟梁宗盛の狭量に悩みながら、自らはつねに最前線で戦い続けた男―。その真実の姿に迫る力作長編小説。

著者等紹介

中津文彦[ナカツフミヒコ]
1941年、岩手県一関市生まれ。学習院大学卒。1982年、『黄金流砂』にて第28回江戸川乱歩賞受賞。歴史を題材としたミステリー、社会派推理分野で活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

56
こちら平家の繁栄~衰退までの歴史をバックグラウンドに重衡を描く物語。もう少し重衡を特化した物語を読みたく手に取ったので少し残念ではあったが、私にとって一番の興味は「南都焼き打ち」を行った人物でもあるのでこちらの件は印象深い。そしてこの件だけでなく、どの歴史部分にも著者の解説部分が挿入されているのも有難い。平易な文章で読み易く、この時代が苦手な私でも、流れを理解し歴史を納得できた。歴史的な部分を淡々と描いても、清盛をそれほど悪く書かなかったこの著者は平家好きかな。2018/03/05

ティーチピー

10
平家物語スピンオフとして読みました。平秀衡と平知盛の男前ぶりに、平家サイドの話も面白く読めた。 義経記との繋がりもいいですねー。ちょうどギケイキ2を読み終わったところだったので最後の部分はドンピシャでした。絶版でしたが探して読んだ甲斐がありました。2021/09/23

BIN

4
源平合戦を平家側から見た作品。平清盛の五男で知勇兼備を備えた人物である平重衡。何気に東大寺大仏を焼いた人物でもある。戦のところではちょっと不満があるが、重衡の戦略や恋愛模様は良いし、これだけの人物が倶利伽羅峠の戦い等に出陣しなかった理由も説得力が有る。源義経、頼朝や工藤祐経との対面や恋人との逢瀬そして正々堂々と死へと向かう姿は素晴らしい。最後の両恋人及び木工知時に宛てた文の内容が知りたい。源平ものとしては一読の価値あり。2013/03/15

hari

3
数年ぶりに再読。平清盛の末っ子の重衡の目を通して進んでいく平家の繁栄~衰退まで。度重なる戦、それぞれの立場ゆえの発言力の差、恋愛。しっかりしたストーリーになっているので歴史が苦手でも楽しく読めます。義経との戦いというと教経のエピソードが有名ですが、こちらもいい関係性だったのだなと気付かされました。読んでから関西を巡ると色々なものが残っているのが分かり、とてもワクワクしました。2012/02/17

kaolu

2
源平の争乱については断片的な話と人物相関がわかっている程度だけど、読みやすい文体で、時々古典も引用し解説も入るので理解しやすかった。重衡の人物像が魅力ある。登場時にいきなりシスコン属性発動してたのにはおどろいたw 都落ち以降の平家一門の心中を思うと胸が苦しくなり、重衡の最期も印象的でなんとも言えない気持ちになる。重衡には正妻もいて壇ノ浦の戦いで落ち延びてもいるのに、その存在が一切消えているのは疑問にも感じつつ、でもドラマ性に引き込まれて一気に読み終えました。だいぶ平家びいきに傾きつつある…。2018/03/25

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