PHP文庫<br> 表の体育 裏の体育―日本の近代化と古の伝承の間に生まれた身体観・鍛練法

電子版価格
¥660
  • 電書あり

PHP文庫
表の体育 裏の体育―日本の近代化と古の伝承の間に生まれた身体観・鍛練法

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 345p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784569661490
  • NDC分類 498.3
  • Cコード C0175

内容説明

裏の体育とは日本の伝統文化を核に直感と体験によって打ち立てられた民間健康法・鍛練法のことである。対する表の体育は、西洋科学に基づいた医学や学校体育。本書では、スポーツや介護、音楽などの各界が注目する著者が、現代の身体観の常識を覆す「裏の体育」の世界を検証する。表と裏の接点である武術を語りつつ、肥田式強健術創始者・肥田春充を紹介。日本人の身体を育てる「体育」のあり方を考える。

目次

第1章 裏の体育―その構造と特色(裏の体育とは何か;裏の体育のルーツ、霊術 ほか)
第2章 表と裏をつなぐものはあるのか―その接点としての武術(体育における武術の特異性;不安定の使いこなし ほか)
第3章 表と裏を結んだものはなかったかのか―その解答としての個人的作品(肥田式強健術;天真療法)
第4章 本書が提起する諸問題―いま我々に何ができるのか(肥田式強健術をふりかえって;自立した健康への第一歩―“歯の保全” ほか)

著者等紹介

甲野善紀[コウノヨシノリ]
1949年、東京生まれ。武術を基盤とした身体技法の実践研究者。1978年、武術稽古研究会・松声館を設立し、他武道や異分野との交流を通して、現在では失われた精妙な身体技法を探求。2000年頃からスポーツへの応用で成果がみられ、以後、スポーツの他、音楽、舞踏、介護など多方面から指導の要請を受ける。こうした流れから、2003年10月、武術稽古研究会を解散。よりさまざまな分野との多角的な交流をはじめる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

デビっちん

26
再読。西洋の科学的アプローチ(表の体育)にこだわって肉体的鍛錬をくり返していった先が、体感しなければわからない、科学では説明がつかない裏の体育だったというのが改めて面白いと思いました。さらに病弱だからこそ強靭な肉体を得られたり、不安定だからこそ力が解放されやすいなど、逆説的なものの見方、考え方に何度も感銘を受けます。前回は長ったらしい引用が退屈でしたが、あちらの世界に興味を持った今は興味深い内容がたくさん記載されていたことに気づきました。2017/12/18

姉勤

23
肥田春充の生涯と、彼が創始した肥田式壮健法を説きながら体操術と壮健への効果を手解きする。現代では常識と思われる、満足な栄養の摂取、スポーツ,稽古などのトレーニングによる心身の酷使や鍛錬を排し、数分(慣熟すれば数秒!)の体操と粗食で超常的な身体の活性と能力を獲得する。体感していないので判断しようがないが、これだけ簡易で素晴らしいものが流布されず、かつフォロワーが少ないのが腑に落ちない。それでも、丹田と正中、重心の意識づけを手始めにやってみる。現代において無為自然に生きる事がいかに有為不自然かは言わずもがな。2013/10/24

デビっちん

13
再読。「無味乾燥な反復稽古のなかからも何かを発見す。」これは多くの志願者から才能ある人を見つけだす篩の構造。逆に考えれば、少人数の組織では、そういった指導や教育をしていけば、少数精鋭のチームを構築できるのでは?と感じました。武術だけでなく、勉強やスキルアップ全般にも当てはまるのを実感しているからです。2021/03/19

13
ちょっとずれた感想になってしまうけど、歯は大切であると改めて思った。ブドウ糖を注射したマウスのほうが口より摂取するよりも虫歯になるというのに驚き。歯磨きは補助的であり、何を食するか見直しが必要。2014/03/22

デビっちん

6
西洋の科学的アプローチ(表の体育)と、東洋の民間療法的アプローチ(裏の体育)の双方を、繋ぐことが大切である。科学にこだわり、一方で、体験重視である裏の体育の象徴である「丹田」を中心にし、双方をつなぎあわせたのが、肥田式強健術。身体各部が丹田に統一したなかで、別々に効率よく動くことができるようになる。体を通して学ぶものは、各人の体構造、性格の違いなどから、本質的には一人一流である。ベクトルが異なる両者をつなぎ合わせるマスターキーは何か?2015/03/04

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/469945
  • ご注意事項