出版社内容情報
通史の陰に埋もれた歴史の読み筋を説き明かす。
戊辰戦争でもしも東軍が勝ったなら――幕末・明治を中心に、気鋭の歴史作家が通説にとらわれない「歴史の読み筋」を説き明かした好著。
歴史は、勝者によって書かれるものだという。敗者の歴史は、やがてその陰に埋もれて消えてしまう。正義の軍隊(官軍)が賊軍を討ち、近代国家・明治を成立させた戦い――長くこうした“順逆史観”で語られてきた幕末維新の動乱期は、まさに「埋もれた歴史」の宝庫である。
▼『鬼官兵衛列風録』『遊撃隊始末』などの小説で、佐幕側の英傑たちを主人公に多くの作品を世に出した著者。本書は、そんな著者が現地取材や史料を読み込む過程で出会った「史実」をもとに、江戸から明治という時代の転換期の新しい「読み筋」を提示した歴史エッセイ集である。
▼「純粋に佐幕を貫いた勇者 佐川官兵衛」「戊辰戦争でもしも東軍が勝ったなら」といった幕末史の読み直しを迫るエッセイを中心に、41編のエッセイと「会津史と私の小説作法」と題された講演録1編を収録。教科書的な歴史では味わえない、知的好奇心を刺激する話題が満載の好著である。
▼『名君と暗君と』を改題。
●第1部 幕末を読み直す
●第2部 明治の千里眼
●第3部 名君と暗君と
●第4部 歴史作家の奇想
内容説明
正義の軍隊が賊軍を討ち、近代国家・明治を成立させた戦い―幕末維新の動乱は、長くこのような史観で語られ、「通説」の陰に様々な史実が埋もれてきた。本書は、会津藩の英傑を主人公に多くの作品を世に問うた著者が、取材や史料を読み込む過程で出会った「知られざる史実」をもとに綴った歴史エッセイ集。幕末から明治を中心に、知的好奇心を刺激する話題が満載。
目次
第1部 幕末を読み直す(純粋に佐幕を貫いた勇者佐川官兵衛;「佐川官兵衛顕彰碑」の建立前後 ほか)
第2部 明治の千里眼(西南戦争「西郷軍」への奇妙な援軍;元帥・島村速雄と日本人の責任感 ほか)
第3部 名君と暗君と(徳川家康に見る人材登用の秘訣;忘れられた名君保科正之 ほか)
第4部 歴史作家の奇想(人が時代とともに進歩しない理由;映像資料の大切さ ほか)
著者等紹介
中村彰彦[ナカムラアキヒコ]
1949年、栃木県栃木市に生まれる。本名・加藤保栄。東北大学文学部卒。72年、第34回文学界新人賞佳作入選。87年、「明治新選組」で第10回エンタテインメント小説大賞、93年『五左衛門坂の敵討』で第1回中山義秀文学賞、94年、「二つの山河」で第111回直木賞を受賞。73年より91年まで文芸春秋に勤務
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