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マックス・ヴェーバーの哀しみ―一生を母親に貪り喰われた男

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569659992
  • NDC分類 331.5
  • Cコード C0230

内容説明

マックス・ヴェーバーは親に愛された子供とは言い難い。彼は不毛なままに死んでいった。従来、彼の精神疾患の原因は“父親殺し”の反動と理解されてきた。しかし、本書は従来の解釈とは全く異なる観点に立つ。鍵は、そのさなかに書かれた『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中に隠されている。資料の改竄やでっち上げまでしても書かざるを得なかった『倫理』論文に…。『マックス・ヴェーバーの犯罪』(山本七平賞受賞作)で衝撃をもたらした著者が、文献と想像力を駆使して、大胆かつ繊細に謎を解く。

目次

第1章 「職業としての学問」への恐怖(生育史;父母の価値観;母による息子の取り込み;精神疾患;病状;母)
第2章 『倫理』論文(プロテスタンティズムに対する隠された貶め;職業人)
第3章 エミー(仕事が出来なくなるという予言;何の約束も出来ない男;母の呪縛;母からの禁止;索漠とした勉学;母への取り込まれと父との対立;嫁という立場)
終章 哀しい男

著者等紹介

羽入辰郎[ハニュウタツロウ]
1953年、新潟市生まれ。埼玉大学教養学部卒業。日本社会事業学校研究科卒業。1989年、東京大学教養学部教養学科・教養学科第二(地域文化)・ドイツ分科卒業。1995年、東京大学人文科学研究科・倫理学専攻・博士課程修了(博士・文学)。1999年、青森県立保健大学教授。『マックス・ヴェーバーの犯罪』(ミネルヴァ書房、2002年)で、第十二回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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ネギっ子gen

30
副題が「一生を母親に貪り喰われた男」で、<ヴェーバーというのは、刻苦精励し続けた末に、精神的に破滅してしまい、そしてそれでも不毛な努力は続け、死に至るまで精神疾患に苦しめられ続けた人間である>と。さらに、<『マックス・ヴェーバーの犯罪』が検察側の論告求刑であったとするならば、本書は、そうした改竄・でっち上げ等の事実は認めるものの、ではなぜそんな無謀なことを被告ヴェーバーはなさざるを得なかったのか/弁護側からの情状弁論である>とも書く。折原浩先生のお名前は知っていたが、「羽入・折原論争」のお相手ですか。⇒2021/08/24

おらひらお

3
2007年初版。学生の時に『プロ倫』を読むように言われ、購入していたのですが、読まないまま今も本棚に鎮座しています・・・。その償いというわけではないのですが、先にマックス・ヴェーバーの人となりを知ろうと思って手にした本ですが・・・。ますます『プロ倫』から遠のきそうです。2013/02/11

もうめい

1
哀しみ、という言葉を噛みしめた。 筆者も同じような哀しみを持っていて、共鳴したのかな、と感じた。全面的に納得というより、確かにそれはありそうな話、というところが正直な感想。 しかし、次々と出てくる病んだ人たちオンパレードに、類は友を呼ぶのか?と最初は思ったが、むしろ、その時代のドイツの社会状況に問題があるのかも、と感じる。不登校や引きもりその他諸々、現代日本社会の病理とも重なる部分はありそう。2020/11/19

富士さん

0
再読。M.ヴェーバーがモラルマゾヒズムの犠牲者であったという話。事の是非はともかく、とてもおもしろい切り口です。ヴェーバー先生の高潔な精神を称揚するあまり、その脆さを黙過するようではいけません。個人的にはその高潔さと激しい欝は根源を同じくするするものだと思うのです。本書からは著者の激しい思い入れを感じ、それはヴェーバー先生の人生を記述するより精神科のソーシャルワーカーとしての義憤をその人生に仮託して発奮しているように思えないでもないものです。どうせなら精神医学側からの視点も含めれば良かったと思うのですが。2016/02/16

sasuke

0
マックス・ヴェーバー(昔はウエーバーと言ったのだが)は生涯ひどい神経症に悩まされたそうです。何故かというと、彼は心底、学者にはなりたくなかったのに、母親の夢をまっとうすべく学者の道に進んだからだそうです。 男性をコントロールして、虚栄心を満たそうとする女性は、いないことはないですね。

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