内容説明
マックス・ヴェーバーは親に愛された子供とは言い難い。彼は不毛なままに死んでいった。従来、彼の精神疾患の原因は“父親殺し”の反動と理解されてきた。しかし、本書は従来の解釈とは全く異なる観点に立つ。鍵は、そのさなかに書かれた『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の中に隠されている。資料の改竄やでっち上げまでしても書かざるを得なかった『倫理』論文に…。『マックス・ヴェーバーの犯罪』(山本七平賞受賞作)で衝撃をもたらした著者が、文献と想像力を駆使して、大胆かつ繊細に謎を解く。
目次
第1章 「職業としての学問」への恐怖(生育史;父母の価値観;母による息子の取り込み;精神疾患;病状;母)
第2章 『倫理』論文(プロテスタンティズムに対する隠された貶め;職業人)
第3章 エミー(仕事が出来なくなるという予言;何の約束も出来ない男;母の呪縛;母からの禁止;索漠とした勉学;母への取り込まれと父との対立;嫁という立場)
終章 哀しい男
著者等紹介
羽入辰郎[ハニュウタツロウ]
1953年、新潟市生まれ。埼玉大学教養学部卒業。日本社会事業学校研究科卒業。1989年、東京大学教養学部教養学科・教養学科第二(地域文化)・ドイツ分科卒業。1995年、東京大学人文科学研究科・倫理学専攻・博士課程修了(博士・文学)。1999年、青森県立保健大学教授。『マックス・ヴェーバーの犯罪』(ミネルヴァ書房、2002年)で、第十二回山本七平賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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