出版社内容情報
日本文明の形成要因、謎、生き残るための鍵。
江戸時代に日本国のアイデンティティーを形作ったインフラシステムとは? 国土づくりのプロが、日本文明の謎に迫り、その将来を語る。
国土全体に豊かに水が流れる。渡り鳥が集中して飛来する。人口が減少する。これらのことにより、日本文明の未来は食糧問題、石油問題に立ち向かっていける。
▼日本の言語は分裂しなかった。これは世界でもまれなことだが、分裂を許さないあるシステムが江戸時代にあったのだ。これにより、日本のアイデンティティーが確立され、日本文明は進化を遂げた。
▼織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちにした理由、モンゴル軍が日本を蹂躙できなかった理由は「地形」にある。日本の歴史は、地形によって守られ、形作られてきたのだ。
▼日本文明の過去と未来を、地形・気象・インフラ構造の視点から照射すると、以下のように思わざるをえない。「日本文明とは、なんとツイているのか!」。前作『土地の文明』が養老孟司氏の絶賛を受けた国土づくりのプロが、未来を構築するための日本文明論を、満を持して世に送り出す。
[I]生き残れる日本文明 ――エネルギー自給と食糧自給へ
●第1章 現代文明は崩壊するのか(そのI)◎20世紀のエネルギー・石油
●第2章 現代文明は崩壊するのか(そのII)◎21世紀のエネルギー・水
●第3章 生きているリン鉱脈◎文明を存続させる生態系循環
●第4章 石油争奪戦の21世紀◎歴史は繰り返される
●第5章 21世紀の食糧危機を救うものは◎日本を守り続けた海
●第6章 国土再構築のシナリオ「様子見作戦」◎21世紀の海面上昇と中津干潟
[II]生き残った日本文明 ――土地と歴史の謎
●第7章 恐れる信長◎比叡山焼き討ち物語
●第8章 モンゴル軍を破った土地◎日本道路史以前
●第9章 家康の関東制圧作戦◎小名木川とは何か
●第10章 権力者がつくった自然◎こま切れの土地の宿命
●第11章 いとしき命の江戸夜景◎消えたダムの300年物語
●第12章 なぜ、吉原遊郭は移転したのか◎ある江戸治水物語
[III]日本文明の存続を支えたもの ――アイデンティティーとは何か
●第13章 アイデンティティーとは何か?(そのI)◎ペルシャ語を支えた祖国愛
●第14章 アイデンティティーとは何か?(そのII)◎日本語を束ねたもの
●第15章 船が形成したアイデンティティー◎江戸時代の情報革命
●第16章 徳川幕府が日本人に仕掛けたアイデンティティー◎泉岳寺と高輪大木戸の謎
●番外編 清渓川・歴史の光景の復活◎ソウル市民のアイデンティティーへの渇望
内容説明
地形に感謝、人口減少に感謝、渡り鳥に感謝!エネルギー問題、食糧問題などなど日本の未来を悲観する人、必読。
目次
1 生き残れる日本文明―エネルギー自給と食糧自給へ(現代文明は崩壊するのか(その1)―20世紀のエネルギー・石油
現代文明は崩壊するのか(その2)―21世紀のエネルギー・水
生きているリン鉱脈―文明を存続させる生態系循環
石油争奪戦の21世紀―歴史は繰り返される
21世紀の食糧危機を救うものは―日本を守り続けた海
国土再構築のシナリオ「様子見作戦」―21世紀の海面上昇と中津干潟)
2 生き残った日本文明―土地と歴史の謎(恐れる信長―比叡山焼き討ち物語;モンゴル軍を破った土地―日本道路史以前;家康の関東制圧作戦―小名木川とは何か;権力者がつくった自然―こま切れの土地の宿命;いとしき命の江戸夜景―消えたダムの300年物語;なぜ吉原遊郭は移転したのか―ある江戸治水物語)
3 日本文明の存続を支えたもの―アイデンティティーとは何か(アイデンティティーとは何か?(その1)―ペルシャ語を支えた祖国愛
アイデンティティーとは何か?(その2)―日本語を束ねたもの
船が形成したアイデンティティー―江戸時代の情報革命
徳川幕府が日本人に仕掛けたアイデンティティー―泉岳寺と高輪大木戸の謎)
番外編 清渓川・歴史の光景の復活―ソウル市民のアイデンティティーへの渇望
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