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幸せな文明―日本は生き残る

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  • サイズ A5判/ページ数 237p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569659657
  • NDC分類 304
  • Cコード C0030

出版社内容情報

日本文明の形成要因、謎、生き残るための鍵。

江戸時代に日本国のアイデンティティーを形作ったインフラシステムとは? 国土づくりのプロが、日本文明の謎に迫り、その将来を語る。

国土全体に豊かに水が流れる。渡り鳥が集中して飛来する。人口が減少する。これらのことにより、日本文明の未来は食糧問題、石油問題に立ち向かっていける。

▼日本の言語は分裂しなかった。これは世界でもまれなことだが、分裂を許さないあるシステムが江戸時代にあったのだ。これにより、日本のアイデンティティーが確立され、日本文明は進化を遂げた。

▼織田信長が比叡山延暦寺を焼き討ちにした理由、モンゴル軍が日本を蹂躙できなかった理由は「地形」にある。日本の歴史は、地形によって守られ、形作られてきたのだ。

▼日本文明の過去と未来を、地形・気象・インフラ構造の視点から照射すると、以下のように思わざるをえない。「日本文明とは、なんとツイているのか!」。前作『土地の文明』が養老孟司氏の絶賛を受けた国土づくりのプロが、未来を構築するための日本文明論を、満を持して世に送り出す。

[I]生き残れる日本文明 ――エネルギー自給と食糧自給へ 
●第1章 現代文明は崩壊するのか(そのI)◎20世紀のエネルギー・石油 
●第2章 現代文明は崩壊するのか(そのII)◎21世紀のエネルギー・水 
●第3章 生きているリン鉱脈◎文明を存続させる生態系循環 
●第4章 石油争奪戦の21世紀◎歴史は繰り返される 
●第5章 21世紀の食糧危機を救うものは◎日本を守り続けた海 
●第6章 国土再構築のシナリオ「様子見作戦」◎21世紀の海面上昇と中津干潟 
[II]生き残った日本文明 ――土地と歴史の謎 
●第7章 恐れる信長◎比叡山焼き討ち物語 
●第8章 モンゴル軍を破った土地◎日本道路史以前 
●第9章 家康の関東制圧作戦◎小名木川とは何か 
●第10章 権力者がつくった自然◎こま切れの土地の宿命 
●第11章 いとしき命の江戸夜景◎消えたダムの300年物語 
●第12章 なぜ、吉原遊郭は移転したのか◎ある江戸治水物語 
[III]日本文明の存続を支えたもの ――アイデンティティーとは何か 
●第13章 アイデンティティーとは何か?(そのI)◎ペルシャ語を支えた祖国愛 
●第14章 アイデンティティーとは何か?(そのII)◎日本語を束ねたもの 
●第15章 船が形成したアイデンティティー◎江戸時代の情報革命 
●第16章 徳川幕府が日本人に仕掛けたアイデンティティー◎泉岳寺と高輪大木戸の謎 
●番外編 清渓川・歴史の光景の復活◎ソウル市民のアイデンティティーへの渇望 

内容説明

地形に感謝、人口減少に感謝、渡り鳥に感謝!エネルギー問題、食糧問題などなど日本の未来を悲観する人、必読。

目次

1 生き残れる日本文明―エネルギー自給と食糧自給へ(現代文明は崩壊するのか(その1)―20世紀のエネルギー・石油
現代文明は崩壊するのか(その2)―21世紀のエネルギー・水
生きているリン鉱脈―文明を存続させる生態系循環
石油争奪戦の21世紀―歴史は繰り返される
21世紀の食糧危機を救うものは―日本を守り続けた海
国土再構築のシナリオ「様子見作戦」―21世紀の海面上昇と中津干潟)
2 生き残った日本文明―土地と歴史の謎(恐れる信長―比叡山焼き討ち物語;モンゴル軍を破った土地―日本道路史以前;家康の関東制圧作戦―小名木川とは何か;権力者がつくった自然―こま切れの土地の宿命;いとしき命の江戸夜景―消えたダムの300年物語;なぜ吉原遊郭は移転したのか―ある江戸治水物語)
3 日本文明の存続を支えたもの―アイデンティティーとは何か(アイデンティティーとは何か?(その1)―ペルシャ語を支えた祖国愛
アイデンティティーとは何か?(その2)―日本語を束ねたもの
船が形成したアイデンティティー―江戸時代の情報革命
徳川幕府が日本人に仕掛けたアイデンティティー―泉岳寺と高輪大木戸の謎)
番外編 清渓川・歴史の光景の復活―ソウル市民のアイデンティティーへの渇望

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

№9

30
元・国土交通省の官僚であり、土木工学博士でもある著者の、その専門である土木や社会資本という観点から捉えた歴史や現代的なテーマに対する洞察がエッセイ風にまとめられている本書。しかしその論は実にユニークで示唆に富むものだ。冬みずたんぼや小規模水力発電などの魅力的なキーワード、元寇や織田信長による比叡山焼打ちや忠臣蔵などの史実への意欲的な解釈、そして民族のアイデンティティへの考察など、知的好奇心に溢れている。突っ込みどころは幾つもあるのだろうが、その独特の洞察は新たな物の見方を読者に提供してくれるものだと思う。2015/05/13

Zoo

1
■個人的備忘録■①滅んだ文明の原因は「食糧」を失ったか「エネルギー」を失ったか(22頁)②征夷大将軍→東北で跋扈する人々は「夷」その意味は「弓を射る人々」松本健一氏引用(101頁)③海面が50㎝上昇すると堤防は砂浜部で1.2㍍岸壁部で2㍍高くする必要あり(86頁)④緑のない大阪。それは庶民の町どあり権力者の町ではなかったからだ。大都市の自然環境は権力者が作ってきた。(142頁)たしかに都内には恩賜公園新宿御苑など元権力者の屋敷跡などが公園になっている。2014/11/07

あかり

1
古来からの日本の土地の様子を例に上げたりしていたのが面白かったかな。ともかく「島国」であることをもっと自覚しよう。2008/01/14

山中崇之

1
著者が生来の学者でないこと、モノ書きを左程沢山していないこと​から、ちょとクセのある文章だが、独特の着眼で書かれていて興味​深かった。 時事ネタを書いた1章、3章ははっきり言って論拠に乏しい自説の​展開でちょっと納得性が無いのだが、2章は著者の強みを活かした​論述。 著者は土木の知見、建設省・河川局での経験などから、2章では地​政学の視点から日本や世界各国の分析を行っている。比叡山焼討ち​、元寇を地政学の観点から分析し、江戸時代からの交通インフラ整​備の紐解きなどは、人文社会学からの推測で我々が教わっ2012/02/27

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