出版社内容情報
百人一首の魅力を、解説とともに書いて味わう。
百人一首に収められた名歌の魅力を、現代語訳と作者やその背景について解説し、実際に書くことでより深く味わうことができる一冊。
百人一首には、おおむね十世紀はじめの『古今集』の時代から、十三世紀初頭の『新古今集』の時代にいたる間の、すぐれた王朝歌人たちの歌が収められています。この時期こそ、王朝和歌の最も充実した時期といわれています。つまり『百人一首』は、和歌の最も優れたエッセンスであるといっても決して過言ではないでしょう。
▼『百人一首』の歌は、四季折々の自然を詠んだ歌と、男と女の恋を詠んだ歌が中心になっています。王朝の歌人たちは、その移り変わりに敏感に反応しながら、折々の自然を詠み、また人を恋しく思う心の微妙な動きをとらえ、歌に込めてきました。そこに描かれた自然や心の有様は、日本人の豊かな発想や美意識の結晶ともいえるでしょう。
▼『百人一首』を詠むことは、いわば日本の文化遺産に接するようなものです。本書を読むと同時に、声に出して読みあげ、そして書き写すことで、その一首一首のすばらしさをいっそう深く味わうことができるはずです。
●はじめに
●和歌の表現技法
●おもな歌枕
●和歌年表
内容説明
もっとも身近な古典、「百人一首」の世界を、第一人者がわかりやすく解説。豊富な写真、図、イラストで珠玉の名歌に親しむ。
目次
秋の田の…天智天皇
春すぎて…持統天皇
あしびきの…柿本人麻呂
田子の浦に…山部赤人
奥山に…猿丸大夫
かささぎの…中納言家持
天の原…安倍仲麿
わが庵は…喜撰法師
花の色は…小野小町
これやこの…蝉丸〔ほか〕
著者等紹介
鈴木日出男[スズキヒデオ]
1938(昭和13)年、青森県生まれ。二松学舎大学大学院特任教授。東京大学名誉教授。専攻は日本古代文学研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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