出版社内容情報
多重債務は自己破産の急増やヤミ金融の跋扈といった社会問題を引き起こしている。関連法の改正を含めて改善策の提言を行なう。
政府・与党では、平成18年に貸金業制度を見直すという。現在、多重債務が自己破産の原因となり、自殺や家族離散といった社会問題を引き起こしているからである。また、その背景には、ヤミ金融業者の跋扈があるのは明白であろう。
▼本来、貸金業そのものは、社会において資金ニーズがある限り必要なものである。だが、貸金業市場での正しいルール、制度が確立されなければ、ますます多重債務者、自己破産者を生み出しかねない。
▼そこで、本書では、多重債務者問題に対する現状認識から「多重債務者更生支援10ヵ年計画」までを提案する。具体的には、「貸し手の責任で多重債務者の救済」を提唱し、「貸金業におけるグレーゾーンの金利帯」を解消することを説く。
▼金融関係者、政策立案者のためだけでなく、広く日本の消費者信用産業の全体像を把握し、法的債務整理や生活保護制度の概要を理解するための格好の教科書となるだろう。
●第1章 多重債務者問題に関する現状認識
●第2章 多重債務者問題を巡って対立する二つの主張
●第3章 今後当面の多重債務者対策に係る新基軸
●第4章 今後当面の多重債務者対策等の具体的在り方
内容説明
本書では、今後当面の多重債務者対策について一案を示していきたい。貸金業制度に関しては、平成18年頃に見直しの時期がやって来る。現在、政府・与党を始めとして各方面において鋭意検討が行われている。
目次
第1章 多重債務者問題に関する現状認識(多重債務者問題の外縁;極めて難しい多重債務者の捕捉 ほか)
第2章 多重債務者問題を巡って対立する二つの主張(上限金利規制に係る三つの選択肢;上限金利引下げ論とそれに対する反対論 ほか)
第3章 今後当面の多重債務者対策に係る新基軸(次期貸金業制度改革の視点;金融サービス責任という新たな価値基準の確立と具現化 ほか)
第4章 今後当面の多重債務者対策等の具体的在り方―『多重債務者更生支援10ヵ年計画』の提案(今後当面の貸金業市場健全化策(骨子案))
著者等紹介
石川和男[イシカワカズオ]
1989年、東京大学工学部卒業、通商産業省(現・経済産業省)入省。資源エネルギー庁石炭部、同庁公益事業部、生活産業局、環境立地局、中小企業庁、産業政策局などを歴任後、2002年4月から商務情報政策局取引信用課課長補佐、03年7月から大臣官房。05年4月新日本インテグリティアシュアランス株式会社(新日本監査法人グループ)に出向し、執行役員に就任。03年4月から専修大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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