出版社内容情報
首相の靖国参拝中止を求める中国・韓国の思惑は何か。「A級戦犯分祀論」に正当性はあるか。巷間の疑問、諸説に対して、専門家が解説。
今年(平成17年)の前半あたりから、竹島の領有権、歴史教科書、海底油田、日本の常任理事国入り等をめぐって、俄然、中国・韓国との外交が騒がしくなり、いつしか「首相の靖国参拝が問題の核心」とまで言われるようになった。「A級戦犯が合祀されている靖国神社に首相が参拝することは、戦争を美化し、軍国主義の復活につながる」とのことだが、もちろん、そのような主張に対して多くの日本人は首を傾げている。
▼そもそも、首相の靖国参拝にこれほど文句をつけてくる中国・韓国の思惑とは何か。彼らが目の仇にする「A級戦犯」とは何か。その「A級戦犯」を分祀することに正当性、実現性はあるのか。先の世界大戦や東京裁判などについて、どう理解すればいいのか。中国や韓国の要求を受け入れて、首相が靖国参拝を中止した場合、次に何が起きるか――。
▼「靖国問題」をめぐる巷間の疑問、諸説に対して、近代神社神道史の専門家が歴史をひもときながら解説。
[第1部]中国・韓国はなぜ「首相の靖国参拝中止」を求めるのか
[第2部]参拝問題を理解するための基礎知識
[第3部]靖国参拝をめぐる議論・異説に答える
内容説明
中国・韓国の思惑とは何か「A級戦犯分祀論」に正当性はあるのか。「靖国問題」をめぐる巷間の疑問、諸説に対して、近代神社神道史の専門家が歴史をひもときながら解説。
目次
第1部 中国・韓国はなぜ「首相の靖国参拝中止」を求めるのか(中国はいつから首相の靖国参拝に反対しているのですか?;中国はどういう理由で反対しているのですか?それに対して、小泉首相はどのように答えていますか?;中国はなぜ、首相の参拝に執拗に反対し続けるのでしょうか?;中国の要求を受け入れて、首相が靖国参拝を中止したらどうなりますか?;韓国も首相の靖国参拝に反対していますが、いつから、どのような理由で反対しているのですか?)
第2部 参拝問題を理解するための基礎知識(靖国神社はなぜできたのですか?どのような人たちが、何人くらい祀られているのですか?;「A級戦犯」とは何ですか?「東京裁判」を法的、政治的にどう考えたらいいのでしょうか?;「東京裁判」の目的や歴史観については、どう考えたらいいのでしょうか? ほか)
第3部 靖国参拝をめぐる議論・異説に答える(A級戦犯が合祀されている靖国神社に首相が参拝することは、戦争を美化し、軍国主義の復活につながるのではないでしょうか?;歴史を鑑とすべきではありませんか?;アジアの人々の感情にも配慮すべきではありませんか? ほか)
著者等紹介
新田均[ニッタヒトシ]
昭和33年、長野県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程に学ぶ。博士(神道学)。近代日本の政教関係を中心に、学際的な立場から実証研究を行なっている。平成10年、「比較憲法学会・田上穣治賞」受賞。皇学館大学文学部教授。「新しい歴史教科書をつくる会」理事
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