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出版社内容情報
名物おかみたちに学ぶ「もてなしの心」とは。
人を育てるのも、人をひきつけるのもうまい、相撲界、旅館、料亭のおかみを取材。彼女たちの魅力とパワーの源泉を探る。
著者は、早稲田大学で、留学生に日本語を教える授業を持っている。あるとき、外国人力士は、めざましいスピードで日本語が上達していくのはなぜかと興味がわき、外国人力士に日本語上達のコツを取材する。
▼その過程で、日本語だけでなく、角界での習慣やしきたりなどを教えているのが「おかみさん」であることがわかる。そこで、横綱朝青龍を育てた高砂部屋の長岡恵さん、角界最小の荒汐部屋の鈴木ゆかさんから、若い力士を育てる秘訣を聞く。
▼また、日本には、角界だけでなく、「おかみさん」と呼ばれる人たちが多い。彼女たちは、内助の功よろしく、人材育成から経営まで、お店を切り盛りする主役でもある。そこで、向島の料亭、温泉旅館などを切り盛りする「おかみさん」たちを取材。とくにアメリカ人のおかみさん、『藤屋』の藤ジニーさんの話は、おかみさんとしてどんな修業を積んだかがわかり、日本独特の文化論としても面白く読める。
●第1章 強い力士を育てることで周りに恩返し―高砂部屋師匠夫人・長岡 恵
●第2章 角界最小の部屋を盛り立てる―荒汐部屋師匠夫人・鈴木ゆか
●第3章 向島花柳界の女将と芸妓衆―料亭『花の里』4代目女将・鎗田重子/料亭『入船』3代目若女将・大沼真由子
●第4章 日本人以上に日本の“おもてなし”を考える―銀山温泉旅館『藤屋』女将・藤ジニー
●第5章 おかみさんが人から慕われる9つの資質
目次
第1章 強い力士を育てることで周りに恩返し―高砂部屋師匠夫人・長岡恵(高砂部屋師匠夫人の場合;テレビ番組でのひと言がきっかけに ほか)
第2章 角界最小の部屋を盛り立てる―荒汐部屋師匠夫人・鈴木ゆか(中央区内唯一の相撲部屋;客室乗務員から伝統社会へ ほか)
第3章 向島花柳界の女将と芸妓衆―料亭『花の里』四代目女将・鎗田重子・料亭『入舟』三代目若女将・大沼真由子(向島と隅田川界隈;向島花街の今昔 ほか)
第4章 日本人以上に日本の“おもてなし”を考える―銀山温泉旅館『藤屋』女将・藤ジニー(和服姿が板についた外国人女将;騙されているのかもしれない? ほか)
第5章 おかみさんが人から慕われる九つの資質(予備知識もない社会への果敢なる挑戦;ほかの仕事と比べ、四六時中休まる暇がなく、損得抜きの滅私奉公 ほか)
著者等紹介
宮崎里司[ミヤザキサトシ]
愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、モナシュ大学日本研究科(オーストラリア)を経て、早稲田大学日本語研究教育センター専任講師、その後、同センター助教授を経て、大学院日本語教育研究科教授。オーストラリア研究所所長。墨田区との産学官連携事業の一環として、墨田区の小学校跡地に研究室を構え「国際交流と多文化共生社会」プロジェクトを展開中。外国人力士の日本語習得、異文化接触に伴うアカデミック・スタイルの不適応問題や日本語学習者の脳の言語処理過程などを、主な研究テーマとしている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。