PHP新書
憲法で読むアメリカ史〈下〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 338p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784569637754
  • NDC分類 253
  • Cコード C0230

出版社内容情報

南部の再建と奴隷の処遇、労働者と資本家、大恐慌と世界大戦、冷戦と黒人差別……南北戦争後のアメリカはどのような憲法上の問題に直面したか?

建国200年で、辺境の小国から超大国となったアメリカ。その国柄を表す最高法規・合衆国憲法は、自主独立の精神を今なお堅持している。「国のかたち」とはいかにして見直されるべきか――本書は、国のあり方そのものを揺るがす様々な時代の要請に対し、憲法がいかに解釈・修正されてきたのかを通じて、合衆国形成の歴史を物語る意欲作である。

▼<下巻>南北戦争後のアメリカ合衆国は、新しい憲法上の問題に直面する。南部再建と解放された奴隷の処遇。労働者の福祉と資本家の財産権の葛藤。第一次大戦、大恐慌、第二次大戦のもとでの大統領の権限拡大。黒人差別、言論・思想の自由、政教分離の問題、そしてプライバシーや女性に関する新しい個人の基本的権利――。アメリカが憲法とともに歩んできた困難な道のりを最高裁が下した判決を通して振り返る。214年間続いた最高裁こそ、まさに合衆国の歴史を形作ってきたのである。

●第16章 南北戦争の終結と南部再建の始まり 
●第17章 南部占領と改革計画の終了 
●第18章 南北戦争後の最高裁 
●第19章 最高裁と新しい憲法修正条項の解釈 
●第20章 アメリカの発展と新しい憲法問題 
●第21章 経済活動の規制とデュープロセス 
●第22章 レッセフェールと新しい司法思想の誕生 
●第23章 行政国家の誕生と憲法 
●第24章 ニューディールと憲法革命 1 
●第25章 ニューディールと憲法革命 2 
●第26章 第二次世界大戦と大統領の権限 
●第27章 自由と平等―新しい司法審査のかたち 
●第28章 冷戦と基本的人権の保護 
●第29章 ウォレン・コートと進歩的憲法解釈 
●第30章 保守化する最高裁と進歩派の抵抗 
●第31章 今日の合衆国最高裁 

内容説明

南北戦争後のアメリカ合衆国は、新しい憲法上の問題に直面する。南部再建と解放された奴隷の処遇。労働者の福祉と資本家の財産権の葛藤。第一次大戦、大恐慌、第二次大戦のもとでの大統領の権限拡大。黒人差別、言論・思想の自由、政教分離の問題、そしてプライバシーや女性に関する新しい個人の基本的権利―。アメリカが憲法とともに歩んできた困難な道のりを最高裁が下した判決を通して振り返る。二一四年間続いた最高裁こそ、まさに合衆国の歴史を形作ってきたのである。

目次

南北戦争の終結と南部再建の始まり
南部占領と改革計画の終了
南北戦争後の最高裁
最高裁と新しい憲法修正条項の解釈
アメリカの発展と新しい憲法問題
経済活動の規制とデュープロセス
レッセフェールと新しい司法思想の誕生
行政国家の誕生と憲法
ニューディールと憲法革命
第二次世界大戦と大統領の権限
自由と平等―新しい司法審査のかたち
冷戦と基本的人権の保護
ウォレン・コートと進歩的憲法解釈
保守化する最高裁と進歩派の抵抗
今日の合衆国最高裁

著者等紹介

阿川尚之[アガワナオユキ]
1951年(昭和26年)、東京に生まれる。慶応義塾大学法学部政治学科中退、米国ジョージタウン大学スクール・オブ・フォーリン・サーヴィス、ならびにロースクール卒業。ソニー、米国法律事務所を経て、1999年から慶応義塾大学総合政策学部教授、2002年から在アメリカ合衆国日本国大使館公使(広報文化担当)。他に西村総合法律事務所顧問、ヴァージニア大学ロースクール客員教授、ジョージタウン大学ロースクール客員教授、同志社大学法学部招聘講師を歴任
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤギ郎

13
憲法の番人としての最高裁が歴史の波に飲まれながら,次々と司法判断を下していく。最後は人工妊娠中絶といったセンセーショナルな話題で締めている。ウォーターゲート事件後まで語る。2019/04/04

中島直人

5
歴代の最高裁判事達が果たしてきた、アメリカ社会に対する影響力の凄さを実感出来る。判事の任命が、大きな政治問題となるのも致し方ないことが良く分かった。2014/05/28

ガリポリ

3
上下巻を通じて判事の個人的な思想や人柄の紹介が少し過剰ではないかとの印象。しかし、個人的に感じる欠点はその程度であり、法学、アメリカ史の素人でも興味深く読めた。戦争や大恐慌などの危機の時代において、肥大化する行政権を最高裁が必ずしも抑止出来ていない点と、その状態が平時に常態化しない三権のバランス感覚が興味深く感じた。2015/01/27

富士さん

2
再読。国の抑圧から個人の権利を守ろうとすると、個人が犯す権利侵害を許すことになり、すべての人に平等に権利を保障しようとすると国が個人の権利を侵害してしまう。このどうしようもない現実に民主主義的理念から誠実に向き合って来た事こそアメリカの偉大さだし、その方針を指し示し続けたのが憲法であるという意味で、アメリカの文字通り構造としての憲法の意義が見事に描かれています。特に南北戦争後に顕著な法の柔軟な運用には、プラグマティズムから構築主義のような、アメリカならではの思想と共通の基盤があるように感じます。2017/11/11

糞。

1
法学には全く興味なかったはずだけど、アメリカ史って面白いのね2012/10/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/87576
  • ご注意事項