保守主義の哲学―知の巨星たちは何を語ったか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 390p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784569633947
  • NDC分類 311.4
  • Cコード C0030

出版社内容情報

これこそが英米を中心とした保守主義の真髄。

これまで日本には保守主義は正しく紹介されなかった! 保守主義が真に必要な今、その真髄を初めて体系的に詳解。保守の常識が覆る!

アメリカを建国した保守主義の天才、ハミルトン。“法の支配”という自由の砦を大成した、コーク。フランス革命と戦った「保守主義の父」、バーク。それらの思想について、ほとんどの日本人は知ることがない。明治以降、あれほど西欧思想が流入したにもかかわらず、英米を中心とした保守主義はほとんど排除されてきた。

▼その結果、日本人は保守主義について、あまりに無知である。保守主義者を自称するものも、保守主義とはどういう思想かを理解していない。法曹関係者ですら、“法の支配”の真の意味がわかっていない。この保守への無理解が、ひいては現在日本のあまりの非常識と混迷を招いているといっても過言ではない。

▼では「保守主義」とは何か? それを体系的に解説したのが本書である。上記の思想家たちの他にも、トクヴィル、ヒューム、アーレント、オルテガ、ホイジンガ、ハイエクなど数多くの思想家を紹介する。いま初めて明かされる保守主義の真髄!

[第1部]保守主義の父祖たち 
●第1章 「米国保守主義の父」アレグザンダ・ハミルトン 
●第2章 「法の支配」は復権できるか―マグナ・カルタ再生とコーク卿 
●第3章 「保守主義の父」バーク―「バーク・ルネサンス」を日本に祈る 
[第2部]全体主義と戦う「真正の自由」 
●第4章 「隷従への道」を歩む21世紀日本―アーレント解題 
●第5章 「赤より死!」の、反ヘーゲル―カール・ポパーの哲学 
●第6章 平等という、自由の敵―警鐘を鳴らすトクヴィル、反撃するベルジャーエフ 
[第3部]「美徳ある自由社会」を創る 
●第7章 人間を透視したヒューム道徳哲学 
●第8章 「社会主義」は“亡霊”―自由の原理とハイエク政治哲学 
●終章 「高貴なる自由」―永遠のバーク哲学

内容説明

明治維新をもって日本ではあれほど多くの欧米の哲学者・思想家の著作を翻訳刊行し流布せしめたにもかかわらず、英米の保守主義のみはほとんど排除された理由は、何であろうか。初めて明かされる保守主義の真髄。

目次

第1部 保守主義の父祖たち(「米国保守主義の父」アレグザンダ・ハミルトン;「法の支配」は復権できるか―マグナ・カルタ再生とコーク卿;「保守主義の父」バーク―「バーク・ルネサンス」を日本に祈る)
第2部 全体主義と戦う「真正の自由」(「隷従への道」を歩む二十一世紀日本―アーレント解題;「赤より死!」の、反ヘーゲル―カール・ポパーの哲学;平等という、自由の敵―警鐘を鳴らすトクヴィル、反撃するベルジャーエフ)
第3部 「美徳ある自由社会」を創る(人間を透視したヒューム道徳哲学;「社会正義」は“亡霊”―自由の原理とハイエク政治哲学;「高貴なる自由」―永遠のバーク哲学)

著者等紹介

中川八洋[ナカガワヤツヒロ]
昭和20(1945)年、福岡県生まれ。東京大学工学部航空学科宇宙工学コース卒。スタンフォード大学政治学科大学院修了。筑波大学助教授を経て、昭和62年に筑波大学教授となり、現在に至る。専門は、政治哲学・現代思想、および国際政治学
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

めっかち

3
 本書刊行から約二〇年、日本で保守主義は全く「移植」されていないようだ。E・コークもJ・アクトンも未だに邦訳はゼロである。「法の支配」に関しても全く誤った解説が氾濫している。一見、リベラル(左翼)は零落したように見えるが「ジェンダーフリー」や「公的社会保障」などは猛威を振るっている。本書で紹介されているA・ハミルトンからK・ポパーに至る保守主義を今からでも緊急移植せねば、日本は滅びる! にも関わらず本書は絶版……改訂版、電子版を希望する!2024/02/07

Dawn Gomatic

2
現代人の理性の過信。合理主義などその最たるものだが、論理では言い表せない”法”がいかに現代の日本に欠落しているか。遅きに失しているが、日本のデモクラシーを省察すべき。2013/08/29

ひらり庵

1
必要があり再読した。人を酔わせる名文に載せて、深い学識が披瀝される。まさに鬼に金棒状態だ。*年前、僕の人生を変えた重要な著書である。しかし、最近ネットで筆者の言動を見ていると、これがきっかけで変わって大丈夫だったのか少々不安になる。「狂人とは理性以外を失った人」はこの本で知ったチェスタトンの言葉である。今となっては、筆者を想起させる。2016/07/10

KN

1
私たちがいかに保守主義について無知であるか、またそのコアに保守主義を持つイギリス・アメリカについて無知であるかがわかる。保守主義思想の二大巨頭であるバークとハミルトンをはじめ、英米を中心に保守主義の思想家が紹介されるが、アメリカ建国の父であるハミルトンを扱った第一章が特に素晴らしい。ただ、論敵の取り扱い方に関して一面的な部分はある。また現代日本に保守主義を適用するにあたっては、本書で著者が触れていない複雑な問題が存在すると思う。2016/06/26

ろーじゃ

1
バークやハミルトン等、英米保守思想を紹介した貴重な本です。自由を守り保つため過去を尊ぶ、真正保守主義の周知が、今の日本にとって急務である点は同意です。デカルトやルソー等、(社会主義含む)全体主義や平等政策を生む思想家に徹底抗戦する点も、真正保守主義のメリットだと思っています。 著者の方が左翼系思想家に感情的な批判を行う事がありますが、左翼思想を危険視してるという気持ちの裏返しかな。2012/10/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/205206
  • ご注意事項