出版社内容情報
不安な時代こそ、日本人の心の奥底にある仏教から学びとれ。聖徳太子から現代の名僧まで、それぞれが伝え残した仏音が心に響きわたる。
古来釈尊により説かれた仏教は、日本に伝来し国内の数多くの求道者・高僧によって、その真髄が伝え広められてきた。しかしながら現代においては、日本仏教は、あたかも教養や癒しの役割を果たすために、この世に存するかのごとく扱われてしまっている。終わりなき不況が続く混迷の時代のなかで、多くの現代人が「心の不良債権」をいまだ断ち切れない状況にあってはそれも当然かもしれない。しかし、だからこそ現代人は、日本独自の仏教の本質を深く知り、見極め、その仏法による真理の声音に耳を澄まさなければいけない。
▼本書は古代は、聖徳太子、空海から、近世・中世は道元、日蓮、沢庵、さらに近代・現代においては、鈴木大拙、橋本凝胤まで、彼らの名言・法句をとりあげて順に紹介し、現代における意義を説いていく。また、彼ら計31人の高僧・求道者たちが拠り所とした八つの聖典からも名句を抜粋、その解釈方法をのべる。宗派をこえた、画期的な仏教書。
[第1部]<古代・中世・近世篇>高僧・求道者法句――日本的霊性の大地をひらく
[第2部]<近代・現代篇>名僧法語選――日本人への遺偈
[第3部]<経典・語録篇>名僧・求道者の聖典――日本仏教の源流
内容説明
懸命に生きる人にしか聞こえない真理を伝える「声音」がここにある。企業経営者への年間100回に及ぶ講話で絶大な支持を得る著者が、「心の不良債権」をいまだ断ち切れない現代人を喝破し、日本独自の仏教の本質について説く。
目次
第1部 古代・中世・近世篇 高僧・求道者法句―日本的霊性の大地をひらく(聖徳太子「憲法十七条」;弘法大師空海「般若心経秘鍵」;伝教大師最澄「山家学生式」 ほか)
第2部 近代・現代篇 名僧法語選―日本人への遺偈(浅原才市「大乗相応の地」;山本玄峰「無門関提唱」第四十六則;鈴木大拙「日本的霊性」 ほか)
第3部 経典・語録篇 名僧・求道者の聖典―日本仏教の源流(経典を読む前に;大般涅槃経(マハパリニッバーナ経)
阿含経 ほか)
著者等紹介
高瀬広居[タカセヒロイ]
1927年、東京・浄土宗寺院に生まれ、43年僧侶の資格を得る。早稲田大学卒業後、NHKに入社、その後テレビ朝日のキャスター、ラジオ関東(現ラジオ日本)の常務取締役、放送批評懇談会理事長、拓殖大学理事等を歴任。現在、拓殖大学客員教授(仏教哲学・比較文化論)。宗教家、評論家として著述、評論活動を展開。講話塾「全国疏石会」主宰
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