出版社内容情報
世界に開け放たれた街から中国社会を読み解く。
変貌を遂げゆく上海。そこは中国社会の異端的存在で、様々な人間がつくりあげてきた歴史があった。世界に開け放たれた街を読み解く。
▼90年代に急成長した上海。そこは古来、漢民族が定住しシルクロードへと続く中央の大陸世界と、貿易が盛んな南方の海洋世界とを繋ぐ、文明の交差点だった。
▼本書の第Ⅰ部では、上海の歴史をひも解く。国内と海外の市場を結び、東アジア経済の中心をなす地勢の形成。そして時の政権や中国特有の自然の作用などによる発展と停滞。こうした変遷から、上海という街の本質に迫る。
▼第Ⅱ部では、筆者の留学体験や、政治・経済・社会・思想・文化の動向などをまじえながら、人材や資本が流入する街と人の魅力を探る。ホームレスの身から巨万の富を築いた浙江(せっこう)商人。企業の生産拠点を移しつつある台湾人。身一つで出稼ぎにくる安徽(あんき)人。租界(そかい)時代さながらに進出する外国資本…。様々な人間によってもたらされる多様な外来文化を取り入れ、ボーダレスなネットワークを築く上海人。その開け放たれた可能性を気鋭の中国研究者が読み解く。
内容説明
上海が九〇年代に急成長したのはなぜか。上海は古来、漢民族が定住する中央の大陸世界と、貿易が盛んな南方の海洋世界とを繋ぐ、文明の交差点だった。本書は、その歴史をひも解き、人材や資本が流入する街と人の魅力を探る。ホームレスの身から巨万の富を築いた浙江商人。企業の生産拠点を移しつつある台湾人。租界時代さながらに進出する外国資本…。外来文化を取り入れ、ボーダレスなネットワークを築く上海人。その開け放たれた可能性を気鋭の中国研究者が読み解く。
目次
第1部 上海という街の生い立ち(Viva Mexico!;心やさしい簒奪者たち;上海の基礎知識;上海の「建国神話」;大陸中国と海洋世界のはざまで ほか)
第2部 日本のおのぼりさんから上海人もどきへ(我々の留学生活;上海人;上海近影)
著者等紹介
田島英一[タジマエイイチ]
1962年、東京生まれ。1991年、慶応義塾大学大学院文学研究科博士課程単位満了につき退学。現在、慶応義塾大学総合政策学部助教授。専攻は中国地域研究。大学では中国語とチベット語、大学院では言語学と中国語文法の研究に従事。中国には、上海を中心に、約4年間滞在。ここ最近は、民族区域自治、基層自治、中国におけるNPO活動などといった問題を追いかけている
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Ishida Satoshi