出版社内容情報
瀋陽事件で明らかになった日本の弱腰外交。国交30年の歩みを振り返りながら、政府・外務省が抱える負の体質とその落とし穴を断ずる。
日中国交樹立30周年を迎えた2002年。その華々しい友好ムードとは裏腹に、日本国内にはいまだ「嫌中感情」が根強い。瀋陽事件は日中関係の虚実をまざまざと映し出した。
▼靖国参拝、歴史教科書、尖閣諸島問題など、内政干渉まがいの要求をつきつける中国と、漫然とふりまわされる日本外交。繰り返されるその構図は、実は1972年の、拙速すぎた国交正常化がもたらしたツケだったのである。
▼いまこそ国交樹立の過程を回顧し、贖罪外交を続ける日本政府・外務省の姿勢を問い直す。日中関係論の第一人者にして、当時の佐藤内閣の政策立案にも関わった著者が語る真実のドラマ。
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[内容構成] プロローグ:日中三十周年で言うべきこと 第一章:「友好」の現実 第二章:拙速外交の陥穽――国交十周年からふり返る 第三章:中国の思惑――日中国交の国際的意味 第四章:日中国交の舞台裏――日本国内の要因 エピローグ:「日中友好」という名のもとに
●プロローグ 日中三十周年で言うべきこと
●第1章 「友好」の現実
●第2章 拙速外交の陥穽――国交十周年からふり返る
●第3章 中国の思惑――日中国交の国際的意味
●第4章 日中国交の舞台裏――日本国内の要因
●エピローグ 「日中友好」という名のもとに
内容説明
日中国交樹立三十周年を迎えた二〇〇二年。その華々しい友好ムードとは裏腹に、日本国内にはいまだ「嫌中感情」が根強い。瀋陽事件は日中関係の虚実をまざまざと映し出した。靖国参拝、歴史教科書、尖閣諸島問題など、内政干渉まがいの要求を突きつける中国と、漫然とふりまわされる日本外交。繰り返されるその構図は、実は一九七二年の、拙速すぎた国交正常化がもたらしたツケだったのである。いまこそ国交樹立の過程を回顧し、贖罪外交を続ける日本政府・外務省の姿勢を問い直す。
目次
プロローグ 日中三十周年で言うべきこと
第1章 「友好」の現実(「名」も「恥」もない日本外交―瀋陽事件をめぐって;日中国交三十年の大きな代償)
第2章 拙速外交の陥穽―国交十周年からふり返る(活かされない日中交渉の教訓;「保利書簡」と私)
第3章 中国の思惑―日中国交の国際的意味(日中関係と中国の対日政策;日中接近を促した国際環境)
第4章 日中国交の舞台裏―日本国内の要因(各政党はいかに動いていたか;世論、マスコミ、経済界の動き)
エピローグ 「日中友好」という名のもとに
著者等紹介
中嶋嶺雄[ナカジマミネオ]
1936年長野県松本市生まれ。国際社会学者。1960年東京外国語大学中国科卒業。1966年東京大学大学院国際関係論博士課程退学。東京大学・社会学博士。専攻は国際関係論、現代中国学、アジア地域研究。東京外国語大学教授を経て、1995~2001年同大学学長を務めた。現在、アジア太平洋大学交流機構(UMAP)国際事務総長、北九州市立大学大学院教授。『北京烈烈』(筑摩書房、講談社学術文庫)でサントリー学芸賞受賞
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Fumi Kawahara