出版社内容情報
その気はないのに、つい議論に巻き込まれてしまう人のための「自分を守る」議論術を、漱石、プラトン、村上春樹の例などから学ぶ。
議論で「打ち負かされる」のは本当に嫌なもの。だが、本当は議論などしたくないのに否応なく巻き込まれてしまったり、自分の周りにしょっちゅう議論を吹っかけてくる同僚がいるなどという人も多いはず。やはり、人間としてのプライドを保つためには言葉で自分の身を守る最低限の技術は身に付けておく必要がある。いわば、議論術とは自分の心を守る「護心術」なのである。
▼本書は、本当は議論なんてしたくない「心やさしき」人のための議論のテクニックを紹介。夏目漱石、村上春樹から西行やプラトンに至るまで古今東西のあらゆる「達人」の文章をテキストにして、「相手が絶対に答えられない問いの出し方」「論点をいつのまにか摩り替える技術」「相手に説明を押し付ける方法」など、論理的に、また時には裏ワザ的なテクニックを使って相手に勝つ方法を身に付けていく。
▼軽妙な講義形式の語り口でスラスラ読めて、しかも確実に役立つ知識が身に付く一冊。
●第1章 議論を制する「問いの技術」
●第2章 なぜ「問い」は効果的なのか?
●第3章 相手を操る弁論術
●第4章 「論証」を極める
●第5章 議論を有利にするテクニック
内容説明
相手が答えられない「問い」の出し方、いつのまにか論点を「摩り替える」技術、どんな主張もはね返す「言い返し」の手法など古今東西の達人たちから学ぶ17の技術。「絶対に言い負かされない」議論術。
目次
第1章 議論を制する「問いの技術」(赤シャツの冷笑―問いの効果;カンニング学生の開き直り―「問い」の打ち破り方;北山修の後知恵―論点の摩り替えその1;西行の選択肢―二者択一の力)
第2章 なぜ「問い」は効果的なのか?(村上春樹の啖呵―相手の答えを封じる問い;臼淵大尉の鉄拳―言質を取るための問い;福田恒存の雪隠詰―相手に沈黙を強いる問い)
第3章 相手を操る弁論術(ナポレオンの恫喝―多問の虚偽と不当予断の問い;丸山真男の対照法―選択肢の詐術;鳴海仙吉のディレンマ―ディレンマの活用)
第4章 「論証」を極める(プラトンの不安―論争における「根拠」;夏目漱石の摩り替え―論点の摩り替えその2;芥川龍之介の「魔術―相手をはめる)
第5章 議論を有利にするテクニック(清水幾太郎の喧嘩―“tu quoque”の技術;丘浅次郎の後出し―発言の順番 ;兼好の嘘―嘘のつき方;イワン・カラマーゾフの辞退―具体例を限定する)
著者等紹介
香西秀信[コウザイヒデノブ]
1958年香川県生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒。同大学院博士課程教育学研究科単位修了。琉球大学助手を経て、現在、宇都宮大学教育学部教授。専攻は修辞学(レトリック)と国語科教育学
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